研究紹介:小惑星カリクローを取り巻くさざ波の環

道越秀吾氏(現代社会学科情報システム専攻)と小久保英一郎氏(国立天文台)の研究チームによる研究成果が報道各社により報じられました。

今から数年前に、土星の環と同じような環が、カリクローと名付けられた小惑星の周囲にも存在することが発見されました。しかし、環の詳細な構造や、そもそもどのように形成されたのかは謎とされています。そこで、研究チームは、コンピュータの中に宇宙空間の現象を再現する「シミュレーション」という技術を用いて、小惑星カリクローの周囲の不思議な環について調べました。

研究チームは、環全体を対象とした上で現実を忠実に再現するシミュレーション(実スケール大域シミュレーション)に成功しました。これは、非常に高速なスーパーコンピュータを要するため、土星の環の研究においてもこれまでに例がなく、世界初の試みです。

シミュレーションの結果、環の寿命が従来推定よりも著しく短くなる可能性があることがわかりました。これらの成果はカリクローの環の起源や進化を解明する鍵となります。

詳細は、国立天文台のプレスリリースを御覧ください

情報系ゼミ中原英里さんの学会発表×2

丸野ゼミ4回生の中原さんは卒業研究として生体信号(心拍変動など)からイヌの情動(快・不快)を推定する研究を行っています。7月にワークショップで研究成果発表を行いましたが、今回、最新の研究成果を後述の2つの学会で発表しました。

2016年12月6日(火)~8日(木)に行われた計測自動制御学会 システム・情報部門 学術講演会 2016 (SSI2016) でポスター発表を行いました。

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ポスター発表は7月の BioSiPS 2016 で一度経験していますが、中原さんの感想から、以前よりも研究者(のたまご)としてさらに成長したと感じました。以下、中原さんの感想です。

『SSI2016 でポスター発表をしてみて、様々な方々から私の研究に対しての意見や質問を伺うことができました。また質問に答えきれず、自らの知識の浅さを感じる機会でもありました。自分では気づかなかった今後の課題も見つかり、大学院に入学するまでに、どのように研究し勉強していくかを考える良い機会になりました。』

中原さんは京都女子大学現代社会学部を卒業後、奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科に進学することが決まっています。

続いて、2016年12月14日〜16日にチェジュ島(韓国)で行われた Asia-Pacific Signal and Information Processing Association Annual Summit and conference (APSIPA ASC2016) の生体信号処理のセッションで「Canine Emotional States Assessment with Heart Rate Variability」という題目で口頭発表を行いました。

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中原さんにとって初めての国際会議での口頭発表でしたが、発表だけでなく発表後の質疑応答の際も、聴衆からの質問に対して的確に答えることができました(もちろん、すべて英語です)。以下、中原さんの感想です。

『初めての国際会議、英語での発表でとても緊張しました。先生方にスライドや原稿を直してもらい、一緒に発表練習をしていただけたので、自信をもって発表することができました。質疑応答もなんとか答えられたので、安心しました。これまでは解析のためのコード(プログラム)を書くことに多くの時間を費やし、なかなか関連論文を読んだりすることまで手が回っていませんでした。これからはプログラミング以外にも時間を使って研究を進め、成果を学会で発表していきたいと思います。』

APSIPA は生体医工学や信号処理分野の発展の一助とするための研究者間の情報交換を目的とした国際会議で、中原さんの今後の研究の参考にもなったと思います。

情報系ゼミ中原英里さんの学会ポスター発表

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2016年7月14日に東京農工大学で行われた The Forth APSIPA Workshop on the Frontier in Biomedical Signal Processing and Systems (BioSiPS 2016) で丸野ゼミ4回生の中原英里さんがポスター発表を行いました。
中原さんは卒業研究として、生体信号(心拍変動など)からイヌの情動(快・不快)を推定する手法の開発に関する研究を行っており、今回のワークショップではこれまでに得られた成果を「Canine Emotional States Assessment with Biosignals」という題目で発表しました。
学会のポスター発表は大学院生や研究者が多い中、学部生の中原さんは「初めての経験で緊張しました。いろんな分野の学生さんや他大学の先生方と研究についての意見交換をすることができ、良い経験になりました。これからも論文化・発表ができるように研究を進めていきたいです。」との感想を述べていました。

APSIPA BioSiPS Workshop は生体医工学や信号処理分野の発展の一助とするための研究者間の情報交換を目的としたワークショップで、これまでにタイ(2013年3月)、バングラデ シュ(2014年3月)、中国(2014年6月)で開催され、今回は4回目の開催でした。

教員紹介 2016

現在、現代社会学部に所属している教員を紹介します。これはもとは現代社会学部新入生に配布している『学習の手引き』に掲載されているものです。もっと詳しい情報もぼちぼち掲載いたします。

注:以下の「主な担当科目」には、外国語科目、演習科目、卒業論文は含まれていません。なお演習III・IV・V・VIならびに卒業論文の指導は専任教員の全員が担当します。


江口聡(えぐち さとし)

☆主な担当科目:倫理学、応用倫理学
☆専門領域:哲学、倫理学
☆研究紹介:

江口善悪や幸福といった価値や規範を哲学的に分析する学問が倫理学です。私は学生時代から19 世紀の哲学者キェルケゴールやJ.S. ミルに興味があり研究を続けています。具体的な問題を扱う応用倫理学の分野では、いくつかの領域を平行して研究しています。現在は表現の自由、生殖技術、セクシュアリティなどに興味があります。 http://yonosuke.net/eguchi/ 以下を参照してください。

☆専門ゼミ:

広く「倫理的問題」、つまり「~~の状況で私(私たち) はどう行為するべきか」「社会のルールはどのようにあるべきか」といった問題を扱うのであれば、卒論のテーマは自由に選んでもらってかまいません。ただし、実証調査ではなく、倫理的な問題についての文献調査とその哲学的分析が主となると思います。

☆ゼミ生の主な卒論のタイトル(2013年度):
  • ときめきはいつまでも:『婦人公論』で見る女性の婚外恋愛
  • 楽しく働くにはどうすればよいか:内発的動機づけとフロー理論を活かしてより良い働き方を考える
  • 生物学から見るジャニーズアイドルの魅力:イケメンの歌と踊りはなぜ多くの女性を魅了するのだろうか
  • うわさと上手に付き合うために
  • しあわせは誰が決める?GDPに代わる指標から見る人間の幸福
  • 零れ落ちる命:動物福祉論から見るペット産業の問題点
  • なぜ精神障害者は許されるのか:刑法三九条の是非について

奥井亜紗子 (おくい あさこ)

☆主な担当科目:家族社会学、社会調査演習I・II、社会データ処理基礎、データ処理論I
☆専門領域:家族社会学、農村社会学、地域社会学
☆研究紹介:

私の研究テーマは主に以下2つです。

1.近現代日本の家族変動に関する実証的研究

家と呼ばれる伝統的家族から都市サラリーマンの家族をモデルとする近代家族へ、という家族変動プロセスを、産業化にともなう農村と都市の関係性の変化を軸に実証的に研究をしてきました。近代以降、農村社会は多くの人々を都市に送り出してきました。皆さんのなかにも、大学進学を機に郷里を出てきた人は少なくないでしょう。皆さんは卒業後、地元に帰るのでしょうか、それとも都会で就職するのでしょうか。一人娘や長女であれば、ご両親から家への責任について有形無形のメッセージを受け取っている人もいるかもしれません。そのメッセージに含まれる規範とは何か、郷里に帰ること、帰らないことをめぐる葛藤の根底にあるものは何か、といったことを念頭に、戦後の農村-都市移動者が郷里の実家や地域社会と取り結ぶ関係性、都会で形成する家族のあり様や家族意識などに焦点を当てて、アンケートとインタビューを組み合わせた追跡調査を行ってきました。

2.地方社会の構造と変化に関する実証的研究

1 の中心テーマと並行して、地方社会の変容について研究を行っています。高度成長期以降人口流出が進む中、地方社会に留まった人々はどのような思いで地域を担ってきたのか、女性の生活は、離村者の残した墓は・・・といった具体的なテーマを掲げて、兵庫県農山村部を中心にフィールドワークを継続しています。

☆専門ゼミ:

卒論ゼミは社会学的知識をもとに卒業論文を作成する学生を対象とします。研究テーマは皆さんの問題関心に従って自由に設定して構いませんが、実証研究をベースとするため、社会調査演習の並行履修を義務付けます。家族社会学、及び社会調査スキル科目も履修するようにしてください。他人にきちんと理解してもらえる文章を書くということは、想像以上に難しいものです。近い将来の就職活動や、その後社会人として生きていくうえで必要不可欠な文章作成能力を、卒論作成を通じて鍛えます。ゼミでは、「空気」ではなく「論理」で他人とコミュニケーションを取ることの楽しさを実感してもらいたいと考えています。

☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
  • 現代日本におけるロマンチックラブ・イデオロギーの変容―恋愛ドラマの結末に見る「永遠」への固執―
  • 「求められる教師」像の変遷―1970~2010年代の新聞記事より―
  • 「母性」は女性を狂わせる!?―『八日目の蝉』『告白』にみる現代日本の母親像―
  • グローバル化に対抗するローカルの戦略―「ひらかたパーク」を事例に―
  • 伝統工芸に携わる人々――東山区上梅屋町に住む職人のライフヒストリーを事例に――
  • 無縁社会におけるシェアハウス――親密性と自己愛の関係――

掛谷純子(かけや じゅんこ)

☆主な担当科目:簿記I・II、会計学
☆専門領域:会計学(財務会計、管理会計)
☆研究紹介:

kakeya会計についてさまざまな角度から研究を行っています。企業会計については、経営戦略と会計のかかわりについて関心があります。また、地方自治体での勤務経験、公認会計士としての活動経験を踏まえ、地方自治体など非営利組織における会計や、金銭的価値で評価できない非営利組織の業績をどのように評価するかについて関心があります。

☆専門ゼミ:

3回生のゼミでは、企業の会計について経営戦略とかかわらせて学びます。企業が公表する資料や文献などを収集、整理し、それに基づき議論を行い、考察を深めます。さらに、グループ研究を行い、研究内容についての発表を行います。さらに、4回生での卒業論文作成に向けて、各自が課題設定を行い、個人発表などを行います。4回生では報告と質疑応答を繰り返しながら、卒業論文の作成に取り組みます。


嘉本伊都子(かもと いつこ)

☆主な担当科目:国際結婚論、比較家族史、社会調査演習I & II
☆専門領域:社会学と法制史と家族史と人の国際移動が交差するところ
☆研究紹介:

国際結婚から離婚まで研究一筋。しかし、実生活で国際結婚したことはないので念のため。国際結婚を通して、日本社会を考えているのであって、国際結婚をするにはどうしたらいいか、成功する国際結婚なんぞには、まったく興味ないです。国際結婚論は『国際結婚論!?』歴史編1冊、現代編1冊を半期に講義し、試験範囲も2冊で、江戸時代から始まります。
講義科目比較家族も、近現代を重視。現代を考えるために社会学的に歴史を考えてみることが私の研究の特徴です。講義課目では歴史を交えて解説していきます。演習科目では、現代のイシューについて、調べレポートしてもらいます。演習科目は毎年テーマを変えていますのでシラバスを参照してください。

☆専門ゼミ:

3Kゼミ。キビシイ、コワイ、キツイと評判のゼミです。なにが3K かって? 「なぜを考える自分」を問われるからです。これはけっこうキツイ作業です。社会調査プログラムの、社会調査演習を卒論ゼミ生には履修してもらいますので、嘉本ゼミに3回生から入りたい人は、1年時には必ず社会学アプローチを、さらにスキル科目の社会調査系を履修して下さい。
自分の頭で考えたくない人は避けてください。遅刻したり、無断欠席したり、レポートを提出日に出さないタイプの方も2 年間の卒論ゼミを続けることはできないと思います(ぜんぶ常識の範囲内のことですが、残念ながら毎年できない学生がいます)。社会調査演習履修までにコミュニケーション能力を付け下さい。どの社会調査であれ、社会を相手にしますので2年間でコミュニケーション能力を上げておかないと、社会調査プログラムは脱落していきます。

この私と戦うためにゼミ生の結束は強いです。卒業生とのつながりを大切にしていることも嘉本ゼミの特徴です。嘉本ゼミは、噂やブランドではなく、情報を収集し(Research)、計画をたてて課題を明確にし(Planning)、調査し(Doing)、報告書をつくり確認する(Check しかつ反省する)のいわゆる「RPDC」サイクル(卒業生に教えてもらいました。営業の基本なんだそうです。嘉本ゼミでやったことと同じだと言ってました。)の繰り返し=ゼミ発表によって、「自分が納得して選ぶ」実践型の実力をつける場です。嘉本の社会調査は質的調査で、Do することは、半構造化インタビューです。だらだらと聞き出すのではなく、「なぜ」それを聞くのかを整理したうえで聞くという「考え抜いたうえで」のインタビュー(アンケート調査ではありません)を実施します。

☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
  • クロス・カルチュラル・ キッズと子どもカルテ―とよなか国際交流協会サンプレイスにおける情報共有ツールの構築にむけて―
  • 海外進出と女性の人材活用
  • なぜ男性はキャバクラにいくのか 階級別に求められる感情労働
  • 高松市丸亀町商店街再活性過程にみる”化学反応”—<若者>・<よそ者>・<バカ者>、そして<地元者>—
  • 姫路市西二階町商店街における三世代長期利用客 関係的コミュニティに支えられる呉服店
    など、社会学的な考え方ができる論文であれば、テーマは自由。そのかわり自分自身の問題意識が問われます。

城戸英樹(きど ひでき)

☆主な担当科目:行政学、地方自治論
☆専門領域:地方自治論、比較政治(日本政治、カナダ政治)
☆研究紹介:

これまでの研究では、主に以下の3つの方向から研究を行ってきました。

第一に、日本の地方制度改革についての研究です。その中では、どのようにして改革が行われてきたのか、また改革の結果日本の基礎自治体の政策にどのような変化が生じているのかを分析しています。

第二に、日本の市町村合併に関する研究です。この研究では、平成の大合併において合併を行うのかどうかについてどのような要因があったのかを研究しています。

最後に、カナダの政治行政制度に関する研究です。その中では、カナダの地方自治制度や社会政策などがどのようなものであるのかを調べています。

☆専門ゼミ:

ゼミでは、現代の政治や行政に対する理解を深める事を目的にします。そのために、ゼミ生それぞれが関心を持った政治・行政現象が、なぜ、またどのようにして起こったのかを調べていきます。

3回生では数人のグループで調査研究し、成果をまとめます。4回生では各個人でテーマを設定し、最終的に卒業論文としてまとめることをめざします。

テーマについては、国・地方の政治・行政にかかわる幅広い領域を想定しています。また、卒論で取り扱う対象は基本的に日本を想定していますが、ゼミ生の関心に沿って海外の事例や比較研究などにも柔軟に対応します。


工藤正子(くどう まさこ)

☆主な担当科目:文化人類学、多文化社会論
☆専門領域:文化人類学(ジェンダー、グローバル化、多文化社会、イスラーム)
☆研究紹介:

国境を越えた人の移動から生じる文化変容や、そうして形成される新たな家族や、多文化的な社会のありようについて研究しています。とくに、国境を越えて人々が移動することで、既存の家族やジェンダー関係、人のアイデンティティがいかに変容し、それが、社会の構成のされ方とどのように相互に作用するのかに関心があります。子育てや結婚、介護など、人のライフサイクルにかかわるさまざまな局面が、グローバル化とどう連動するのかについても一緒に考えていければと思っています(たとえば、国際養子や外国人介護労働者の問題など)。研究の具体的な対象は、日本人女性とパキスタン人イスラーム教徒の男性が形成する家族や、イギリスのパキスタン系移民社会です。

☆専門ゼミ:

参加者の構成等にもよりますが、基本的に3回生では、前期に文化人類学の基本的テキストを読み、後期からは、自分の関心にそって文献を調べて発表し、卒論のテーマ選定に向けて興味関心を絞ります。 4回生の前期では、夏休み前までに最終的に研究テーマを決定し、調査計画書を書き上げます。夏以降は、ゼミで発表や討論をしながら卒論を書き進めます。

☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
  • 国境の狭間に生きる子どもたち:沖縄のアメラジアンの事例から
  • トランスナショナルな生活世界に生きる子どもたち:フィリピンからイタリアへの移住労働の事例から
  • 女性の働き方と家族関係:スリランカ海村女性の女性たちを事例に
  • 国境を越えたケアの連鎖:フィリピン人移住家事労働者の事例から
  • 性的マイノリティのつくる絆:日本における同性愛者の「家族」
  • ツーリズムの進展と「伝統」の創造:インドネシア・バリ島の事例から
  • 複数のルーツをもつ子どもたち:帰国子女を中心に
  • 日本の若者の労働と生活世界:非正規雇用の若者を中心に

坂爪聡子(さかづめ さとこ)

☆主な担当科目:家族経済論、教育経済学
☆専門領域:人口経済学
☆研究紹介:

博士論文では、1970 年以降の日本の家族問題(晩婚化、少子化、教育費の急増、女性の就業問題)を経済学的に分析しました。
現在も引きつづき、家族問題をとりあげ、経済学的に分析しています。具体的には、少子化問題、女性の就業に関する政策(保育サービス、育休制度、時短制度etc)などを分析対象としています。
家族問題(結婚や出生)が、経済学で分析対象となりうることを知ったときは非常に驚き、経済学の視点から、そのような問題をみるのも興味深いと思い、家族経済を専門にしました。

☆専門ゼミ:

各自(グループ)で関心のあるテーマを選択し、まず1回目の報告は、そのテーマについての現状、問題点、要因など専門分野を問わず(社会学、心理学etc)調べて報告する。そして、2回目の報告からはそのテーマについてより深め、経済学的視点を加えたものを報告してもらいます。

☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
  • 産業別にみる女性の就業継続決定の要因
  • 女性労働者が就業継続可能な環境とは―正規・非正規に注目して
  • 女性の就業継続についての都道府県比較
  • 晩婚化問題についての都道府県比較

澤敬子(さわ けいこ)

☆主な担当科目:法学アプローチ、マイノリティと法、法過程論、ジェンダーと法
☆専門領域:法社会学(マイノリティと法、ジェンダーと法、司法教育、法過程、法曹論)
☆研究紹介:

私の専門は法社会学です。法社会学は、現実の法のあり方を社会との関連で検討し説明しようとする学問で、哲学、社会学、政治学、心理学などの隣接領域の方法論も参考にしながら分析を行います。分析の対象は、法に関わる現象ならばどのようなものでもテーマになりますが、私自身は、ジェンダーや外国人、マイノリティの問題を中心に、司法教育、法過程、法運動、法曹論などを扱っています。

☆専門ゼミ

私のゼミには、法や法社会学の理論に興味がある人と、ジェンダーやマイノリティ、人権、差別の問題に興味がある人、そして、それ以外のさまざまなテーマ(たとえば、司法制度、裁判員、家族、雇用)についての法社会学分析に興味がある人がいます。卒論のテーマは、「法と社会」に関することなら自由に選んでいただいてけっこうです。折角の機会ですので、自分が本当に勉強したいことを探して取り組んでみてください。但し、より深い勉強ができるように、現代社会学部の法学関連科目や、法社会学の近接科目を、できるだけ履修しておいてください。
まず、1年前期では「法学アプローチ」を履修して下さい。法社会学的な観点を学ぶことのできる「マイノリティと法」(2年前期)や「法過程論」(2年後期)も重要です。「憲法」(2年前期)、「民法」(2年後期)、「家族法」(2年後期)、「行政法」(3年前期)、「労働法」(3年後期)、「ジェンダーと法」(3年前期)などの法学関連科目からの履修も心がけて下さい。また、自分が研究したいテーマに関連する科目があるならば、その科目が法と関わらずとも、忘れず履修して下さい。なお、政治学系、社会学系の科目を履修しておくと、ゼミでの法社会学の勉強がよりスムーズになります。

☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
  • 法テラス以降における弁護士アクセスの規定要因 ―関係資本の重要性に注目して―
  • 体罰処分決定過程における教育現場の構造的な密室化 ―学校側・被害者・教育委員会の関係性―
  • 過労死被害の救済における制度改革の実現 ―過労死被害者救済から権利拡大に向けた社会運動―
  • 浜松市の取組みを手がかりに日系ブラジル人子弟の不就学問題を考える
  • スウェーデンの高福祉・高負担システムをなぜ国民は支えるのか
  • 里親養育が進まない日本 ―歴史的な家族の在り方と血縁の関係から見る―
  • メディア言説の中に見る少年非行観と家族観 ―1960年代からの新聞記事を手がかりとして―
  • 二足のわらじを履く非正規ママ ―それでも履きこなしていくために必要なこと―

霜田求(しもだ もとむ)

☆主な担当科目:生命倫理学、現代人権論
☆専門領域:生命倫理学、環境倫理学、社会哲学
☆研究紹介:

霜田求

近現代西洋の哲学・倫理学(カント、ヘーゲル、ハーバーマスなど)の研究から出発して、その後、生命倫理学(生殖補助医療、着床前・出生前診断、人工妊娠中絶、終末期ケア、安楽死 ·尊厳死、脳死と臓器移植、遺伝子医療、再生医療、脳神経科学など)、環境倫理学(人工化学物質や放射線被曝による環境破壊・健康被害、環境リスク論、自然・動物の権利、未来世代への責任など)、そして社会哲学(死刑制度、ナショナリズムなど対立・葛藤・紛争を伴う社会問題の哲学・倫理学的検討)の研究に取り組んでいます。

☆専門ゼミ:

生命倫理学・環境倫理学の中から、受講者各自がじっくりと取り組んでみたいテーマを決めて、それに関連する文献・資料を読み解きながら、発表・討論を通して自分なりの問題解決の方向を見つけてもらいます。

☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
  • 代理出産の問題と今後の対策―卵子提供と代理出産―
  • 生と死の選択~終末期医療にまつわる問題~
  • 日本における臓器移植の直面する課題―生体移植を中心に―
  • 遺伝子と脳―人は何によってうごかされているか―
  • 人と動物のかかわり

諏訪亜紀(すわ あき)

☆主な担当科目:環境開発論、環境政策論
☆専門領域:環境政策 再生可能エネルギー政策
☆研究紹介:

これまで環境問題への対策は、悲劇や犠牲の上に成り立ってきました。今後私たちの社会は、どのようにすれは悲劇や犠牲を回避した政策決定を行うことが出来るか、ということに関心があります。特に、エネルギーと環境の関わりに関心があります。
日本におけるエネルギー政策が環境に及ぼしてきた影響の評価をまず第一義に行っておりますが、同時に、経済の発展に伴いエネルギー需要が増大している開発途上国のエネルギー問題も研究対象としています。再生可能エネルギー政策の研究を通じて、途上国の人々の暮らしを考えていきたいと考えております。

☆専門ゼミ:

3回生のゼミでは国際・国、または自治体レベルの環境政策ついて調べ、議論をしながら学びます。実際の環境政策について事例を分析したものを発表し、政策提言のポイントをまとめます。各自の提言がどの程度意義があるか、実施にあたってどのような障壁があるか、その障壁を乗り越えるためには何か、考えます。発表内容はゼミのメンバーで議論をします。事例研究は、ゼミレポートにまとめます。ゼミメンバーによるコメントはゼミレポートに反映します。なお、 1回生対象の演習では、環境問題を理解するための基礎的な知識を共有してから、国際・国、または自治体レベルの環境政策ついて調べ、議論をしながら学びます。レポートを書く目的・構成なども学ひます。

☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
  • 京都における太陽光発電の促進に関する制度的枠組みについて―景観法規制緩和を例にして―
  • 環境保全と地域発展の両立に関する考察―箕面グリーンロード開発を事例として―
  • 環境経営とCSR‐企業の環境コミュニケーションを検証する
  • 太陽光発電促進に向けたアメリカ:ソーラーアクセス権の日本への含意
  • 環境と経済の相互的関係について―自転車政策と地域商業振興に関する提言―
  • コミュニティエネルギー創造へ:小水力発電を例として

戸田真紀子(とだ まきこ)

☆主な担当科目:比較政治論、国際人権論、現代社会入門II
☆専門領域:比較政治学(アフリカ地域研究)
☆研究紹介:

アフリカの政治、特に、「民族紛争」「宗教紛争」と呼ばれている地域紛争の背景、原因、解決策について研究しています。もう一つ、アフリカのジェンダーの問題についても、ケニアやルワンダでフィールドワークを続けてきました。
著書として、『貧困、紛争、ジェンダー ―アフリカにとっての比較政治学』(晃洋書房)、『アフリカと政治 紛争と貧困とジェンダー―わたしたちがアフリカを学ぶ理由―[改訂版]』(御茶の水書房)、編著として、『帝国への抵抗』(世界思想社)、共編著として、『国際社会を学ぶ』(晃洋書房)、『国際関係のなかの子どもたち』(晃洋書房)、共著として、『国際関係論入門』(法律文化社)、『アフリカと世界』(晃洋書房)、『新書アフリカ史』(講談社)など。

☆専門ゼミ:

ゼミのテーマは、「草の根から国際政治をみる」です。 国際政治に対して、弱者からの視線を養うことが、この授業の目標です。紛争、貧困、ジェンダー、国際協力、人権、環境、開発など、色々な視点から国際社会を見てほしいと思っています。3年生の前期は「関西国際関係合同ゼミナール」に参加し報告をします。後期には、卒業論文のテーマを確定してもらいます。 4年生では、報告と質疑応答を繰り返しながら、卒業論文を完成させていきます。12月には「京都国際関係合同ゼミナール」に参加して報告してもらいます。

☆ゼミ生の主な卒論のタイトル(2015年度):
  • 生活保護制度の現状と課題について
  • アフリカの医療を救うために―国境なき医師団と医薬品問題―
  • 子ども兵士
  • 差別のゾンビ現象―アメリカにおける「白人」による「黒人」への人種差別にあてはめる―
  • 日本における子どもの貧困―貧困世帯を根絶させるためには―
  • パレスチナ問題―今後アメリカはどのように外交政策を進めていくべきか―
  • イスラム教国における女子教育―イランとパキスタンを比較して―
  • インドにおける結婚と女性差別について
  • 今後の国際秩序の展望―グローバル化と覇権国の行方―
  • アルゼンチン共和国ブエノスアイレス市におけるストリート・チルドレン問題―性別観・家族観・市民社会性から考えるこれから―
  • 外国人の子どもの不就学と日本の教育―日系ブラジル人を例に―
  • 大豆にみる食糧問題―大豆の裏側を読み解く―
  • 途上国援助は必要かどうか

鳥谷一生(とりたに かずお)

☆主な担当科目:マクロ経済学、国際経済学
☆専門領域:貨幣金融論、マクロ経済学、国際経済学、国際金融論
☆研究紹介:

「世界の工場」・「世界の市場」として躍り出た中国の人民元「国際化」が、東アジア地域の国際通貨金融秩序にいかに影響を与えるかについて分析し、東アジアの視点から21 世紀のあるべき国際通貨金融システムについて考察しています。
著書として、『国際通貨体制と東アジア「米ドル本位制」の現実』ミネルヴァ書房、共編著『グローバル金融資本主義のゆくえ』ミネルヴァ書房、共著書として『世界経済 増補改訂版』八千代出版等があります。

☆専門ゼミ:

3 回生前期の演習IIIでは、銀行論・証券論の基礎を短期間で学習してもらい、日本の金融経済の歴史と現状について理解を進めて行きます。恐らくこの段階で、金融経済に関する市販の新書程度は独学ができるようになりますし、全国一般紙の金融経済記事について大きく理解が進むものと考えます。3 回生後期の演習IVでは、戦後の世界経済と国際通貨金融システムの歴史について学習します。専門ゼミでのこれらの学習にあたっては、担当する基礎教養科目と専門科目を併せて受講することを義務とします。

4 回生の演習では、卒業論文指導が中心となります。卒論テーマは、担当者の守備範囲であれば、ゼミ生の意向を最大限尊重します。指導にあたっては、テーマに関係する基礎理論の学習を要請すると共に、資料を渉猟して組み立てられた論理の整合性を問い質していきます。

尚、1 年生・2 年生の演習科目では、社会科学・経済学の基礎的文献、現実の経済社会に鋭く切り込んだ評論等を取り上げて、現代社会に関する学生諸君の知的関心を喚起したいと考えています。

☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
  • 自己資本比率規制の現状-バーゼルIIIの導入にあたって-
  • 京都における観光の経済効果
  • 日本の電力のベストミックスについて考える
  • 近江商人に学ぶ―日本企業の在るべき姿―
  • わが国の税と社会保障のこれからの向かう先は
  • 日本農業の展望-EUの農業政策を踏まえて-

中田兼介(なかた けんすけ)

☆主な担当科目:自然環境と生態系、生命の起源と進化、多様性の生物学
☆専門領域:動物行動学、生態学
☆研究紹介:

nakata陸上の無脊椎動物の行動を主な対象にして、どのような適応的意義があるのか、どのような生態的影響があるのかを研究しています。最近はクモが網を張る時の行動や意思決定のあり方、及びその進化と多様性の解明に取り組んでいます。過去にはアリの社会構造とその動態についても研究していました。また共同研究で草花と送粉昆虫との相互作用の研究や里山に生息するカメの個体数推定に参加した事もあります。手法としては、野外観察と野外・室内での実験、数理モデルにシミュレーションを用いた理論的解析を組み合わせて研究を進めています。

☆専門ゼミ:

生物の生態、進化、多様性などに関わる問題を扱います。まず教科書を読んだり、野外での生物の観察を行なったりする事で、解くべき問題を設定していきます。その問題に一定の答えを出す事ができれば卒論が完成するのですが、そのための一般的な方法は、対象の生物を観察したり実験して得られたデータを用いる事です。対象の生物としては、虫や草花など身近なものであれば観察等がしやすく、こちらも指導がしやすいですが、本人の意欲次第でどのようなものでも扱う事ができると考えています。一人一人のゼミ生の興味関心に添った対象生物とテーマの選択が望まれます。

☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
  • ゴミグモの求愛が交尾結果に与える影響
  • なぜ紅葉は起こるのか~対アブラムシ仮説の検証~

中道仁美(なかみち ひとみ)

☆主な担当科目:地域社会学、ジェンダーと現代社会、基礎演習I・II、社会調査演習I・II
☆専門領域:農村社会学、女性学
☆研究紹介:

1.農山漁村社会の様々な課題について研究しています。特に、高齢化が進み、人口が減少している地域の地域維持・発展に関心を持って研究しています。現在の主なフィールド(国内)は愛媛県西予市明浜町狩江地区です。他に北海道や近畿地方では滋賀県八日市市(現東近江市)がフィールドでした。近年、外国人研修制度や農産物の安全・安心問題について、農山漁村社会の地域維持。発展の関係から日本・海外で研究しています。海外では、現在、ベトナムの高原地帯で日本農家のNGOの活動を継続して研究しています。また、アジアではネパールでも調査していました。ヨーロッパではスェーデンの北部山村や、イタリア北部、南部山村などで地域活性化活動について長期にわたり調査をしていました。

2.農山漁村のジェンダーについても研究しています。近年、農業・農村女性の研究、研究者は増えました。漁業、漁村女性の研究も増加しつつあります。しかし林業に関してはまだ少ないので、現在は、国内とヨーロッパの林業・山村女性の研究をしています。また、ドイツ語圏地域の農業女性のキャリア教育、マイスター制について研究しています。

☆専門ゼミ:

専門ゼミでは、2年間で卒業論文を完成するために、計画的なゼミ運営をします。課題の設定から結論に至るまで、文献・統計の探索、実態調査による実証について指導します。卒業論文の課題設定は簡単ではありません。課題探究の過程に時間も労力もかけなくてはなりません。2年間は長いようにみえて、短いので、気を抜かず、頑張ってください。


中山貴夫(なかやま たかお)

☆主な担当科目:コンピュータ・ネットワークI・II、応用ネットワーク、情報文明論、情報ネットワーク
☆専門領域:情報工学
☆研究紹介:

インターネットを中心とするIT 技術は今や日常の情報基盤として当り前のように利用されるようになっていますが、それらのシステムを滞りなく動かすためには様々な要素が必要になってきます。日常のメンテナンスやシステムの性能評価がそれにあたります。このようなネットワークシステムの構築と管理技術について研究しています。
また、インターネットの発展により情報コミュニケーションの形も大きくかわっており、ネットを利用した詐欺のように新たな問題点もでてきています。このような技術の発展が社会に与える影響やその解決方法についても考えて行こうと思っています。

☆専門ゼミ:

コンピュータネットワークが現代社会にどのような影響を与えているのか、を考えるのがテーマです。そのためにはネットワークやプログラミングなどの情報関連科目の理解が必要です。3 年生の間は関連する書籍を読んだり基礎的なプログラミング課題を行い、その間に自分の卒論テーマを考えます。卒論テーマは、ネットワークを用いて身の回りの問題を解決したり、より便利になるようなシステム作成や、技術の発展が社会に与える影響に関する考察などといったものが挙げられます。4 回生では卒論演習が中心となり、自分のテーマに基づいてプログラムを作成し、それを実際に動かしてみることを目標に取り組んでもらいます。

☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
  • Twitter のBOT 機能を使ったセキュリティ確認システム
  • 学内無線LANの基地局情報を利用した学内混雑度マップの提案と実装
  • Titanium MobileによるAndroidアプリケーションの開発~京都女子大学来構者向けアプリケーション「京女歩きマップ」の提案と実装~
  • Web技術を用いた周辺トイレ情報の提供~Webアプリケーション「トイレの神様」の提案と実装~
  • テキスト読み上げツール「棒読みちゃん」のバッテリー残量読み上げプラグインおよび天気予報読み上げプラグインの提案と実装
  • スマートフォン向けAndroidアプリケーション開発-最適服装予報アプリ~暑くも寒くもないわ♪~

西尾久美子(にしお くみこ)

☆主な担当科目:経営学アプローチ、経営戦略論、組織マネジメント論、マーケティング論、サービス経営特論
☆専門領域:経営学(組織行動論、経営組織論)
☆研究紹介:

西尾働く個人が、やりがいを感じられる働き方とは、どのようなものでしょうか?  働いている人が十分にその能力を発揮し、組織の生産性が向上するためには、雇用する側はどのような仕組みをつくればいいのでしょうか?  企業での勤務経験後、研究者になった私にとっては、よりよい働き方と組織のアウトプットの関連というのが大きな研究課題です。

これまでの研究テーマは、ワークシェアリングの導入と組織コミットメントの変化、芸舞妓のキャリア形成と育成制度、京都花街の取引制度、洋菓子産業の震災復興プロセスにおけるリーダーシップ、警備保障産業の人材育成と競争優位性の構築、エンターテイメント産業の人材育成と事業システム、地域基幹産業の人材育成と事業システムなどです。現在は、伝統文化の人材育成と事業システムの関連について、主に能楽を調査対象に研究しています。

主著として、『京都花街の経営学』(東洋経済新報社)、『舞妓の言葉-京都花街、人育ての極意』(東洋経済新報社)、『おもてなしの仕組み―京都花街に学ぶマネジメント』(中公文庫)、共編著として、『現代社会を読み解く』(晃洋書房)、『1からのサービス経営』(中央経済社)、『実践知』(有斐閣)、『企業家のすすめ』(有斐閣)、『日本のキャリア研究』(白桃書房)などがあります。

☆専門ゼミ:

3回生では、各自が関心のあるテーマを探すと同時に、経営学の専門知識や方法論に関する基礎知識を身につけます。まず、 3回生前半(演習III)では、方法論や経営学に関する基本テキストを読むことと並行して、事例研究をします。具体的には、企業を取り上げ公表資料や文献などを収集して事実を整理し、それをもとにゼミで議論し、各自の考察を深めます。3回生後半(演習IV)では、グループ研究を行い、合同ゼミなどで研究内容について発表をします。また、グループ研究と並行して、各自の研究関心を掘り下げ、卒論に向けて課題設定を行いパイロット調査をも実施し、分析結果について個人発表も行います。4回生では、報告と質疑応答を繰り返しながら、卒業論文の作成に取り組みます。

☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
  • ZOZOTOWNの成長要因―事業システムと流通論の視点から―
  • 市場創造型マーケティング戦略―ソニーのオーディオエレクロニクス事業を事例に
  • リーダーシップ獲得に関する研究―オーナー企業経営者へのインタビュー分析から
  • 仕事と家事・育児の両立と女性のキャリア形成
  • スポンサーで成り立つテーマパーク―USJの事例より
  • 就職活動と外発的動機付けに関する研究―女子大生のインタビュー調査から
  • 顧客満足度と顧客層との関係に関する考察―女子大生のファーストフード業界に関するアンケート 調査から
  • ロングセラー商品のマーケティング戦略―G-SHOCKを事例に

藤井隆道(ふじい たかみち)

☆主な担当科目:仏教学、仏教思想、人間学
☆専門領域:インド哲学・仏教学、宗教学
☆研究紹介:

藤井古くからインドにおいて、仏教の論師を含むインドの思想家たちは、宗教と哲学・倫理が交錯するような領域で、様々なトピックについて熱く議論を戦わせてきました。神は存在するのか、世界には何があるのか、私たちはどのようにして世界について知るのか、そして「私」とはいったいどのような存在なのか。こうした論争のあとが、膨大なテキスト群として残されています。それらはおもに、サンスクリット語で書かれているのですが、それを読み解き、思想発展のあり方を解明するとともに、そのなかに、多様な価値観がせめぎあい、しばしば鋭く対立する現代社会においても生かされる智慧があるのではないか、ということを考えています。

☆専門ゼミ:

宗教は、現代社会のなかで、どのように生きているのか。そして、宗教が現代社会のなかで果たすことができる役割、その可能性はどのようなものなのか。私のゼミでは、現代社会と宗教の関わりを広くテーマとしますが、直接に宗教に関わらなくても、「いのち」を見つめる視点や心の豊かさを求める視点から現代社会のあり方を見直していこうとする取り組みも歓迎します。具体的には、以下のような観点から、現代社会における宗教のあり方について学びます。

  • 宗教的な表象がいかに現代社会の中に息づいていて、個人の価値観や行動、さらには社会の動向に影響を及ぼしているのか。
  • 現代人は死というものをどのように捉えているのだろうか。また人が死に向き合う現場において、宗教はいかなる役割を果たしうるのか。
  • 現代社会が直面する様々な課題に対して、宗教的なものの見方(世界観・人間観・生命観など)がいかに応答しうるのか。

    濱崎由紀子(はまさき ゆきこ)

    ☆主な担当科目:精神医学概論、比較文化精神医学
    ☆専門領域:精神病理学、思春期精神病理(ひきこもり、初期統合失調症など)
    ☆研究紹介:

    児童思春期の所謂「ひきこもり」症例の中に、前精神病性の前駆症や前哨症候群が稀ならず存在することに注目し、このような症例についての臨床研究を行っている。特に統合失調症リスク群の児童思春期に先行性不全(欠損)として現れる基底症状に着目し、患者群と正常群を比較検討する記述統計学的研究を行っている。

    ☆専門ゼミ:

    精神医学的な記述と評価(DSM 多軸評定など)の方法を学び、それを応用して様々な社会文化的現象を人間の精神機能面から分析する。3 回生前半(演習III)は、質問紙法|精神機能・心理評価尺度(既存のもの、又はオリジナルのものを作成)を用いて、メンタルヘルスに関する記述統計学的な研究を行う。研究テーマは各自が興味・関心を持つ領域から選ぶ。3 回生後半(演習IV)は、各自関心のあるテーマにそって文献(英語および日本語)を読み込み、卒論作成へ向けて研究課題を絞り込んでいく。研究方法については、演習III で習得した統計処理スキルを用いて、皆で討論しながらデザインしていく。4 回生は、卒業論文の作成が中心となる。

    ☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
    • 若年層の貯蓄志向とその背景について
    • 現代女性はfemininity をどう生きるか―女子大生を対象とした記述統計学的研究―
    • 思春期・青年期の発達特性と日常生活における適応の関連について
    • ルールブレーキングと環境とのかかわり
    • 自閉症スペクトラムと現代

    林忠行(はやし ただゆき)

    ☆主な担当科目:地域研究I
    ☆専門領域:東欧国際関係史、欧州国際関係論、東欧比較政治
    ☆研究紹介:

    私の研究は、第一次世界大戦期のチェコスロヴァキア独立運動の研究から始まり、その後は両大戦間期と第二次大戦期のチェコスロヴァキア外交の研究に進みました。さらに、1989 年に東欧で政治変動が始まると、この地域の政治の変化を同時並行的に追跡するという仕事が始まりました。現在は、東欧地域の政党政治の研究をしながら、あわせて、再度、第一次世界大戦期の歴史の研究もしています。

    ☆専門ゼミ:

    現在は学長職にあるので、専門ゼミはお休みです。


    正木大貴(まさき だいき)

    ☆主な担当科目:心理学アプローチ、臨床心理学、人間関係の心理学
    ☆専門領域:臨床心理学、精神医学
    ☆研究紹介:

    臨床心理学と精神医学、どちらも人の心や身体、精神や脳といったものを探究する学問なのですが「ものの見方」が違います。これらの「ものの見方」を対立させるのではなく融合させることで、捉えどころの難しい人間という存在を理解することを目指しています。研究活動と同時に病院での臨床活動を行っていますので、病を抱えるひと、悩みを持つひとが、自分の心のうちにあることや今まで生きてきた人生をどのように「物語り」、そして治癒していく過程でそれがどのような「物語り」に変化していくのかといったところに興味を持っています。

    ☆専門ゼミ:

    2回生では、数人ずつのグループに分かれてグループ研究をしています。いくつかの心理テスト(心理尺度と言う)を組み合わせて、多くの人たちに質問紙調査を実施します。そこから得られたデータから、普段の日常からはわかりにくいような人間の心の特徴を探っていきます。調査のテーマは、日頃疑問に思っている事柄を自分たちで話し合って自由に決めます。
    3回生では、それまでに培った臨床心理学の素養を十分に活かして、「人の心」と「人間の表現や物語(たとえば映画や小説、漫画、アニメなど)」の関係について、臨床心理学的な考察を試みながら理解を深めていきます。優れた物語・芸術作品というものは、人間の在り方や生き方といった普遍的な問題を的確に表現してくれています。人間理解のための感性を磨きましょう。

    4回生は、自分にとって重要であると思われる自分固有のテーマを取り上げ、卒業論文の作成に取り組みます。個人の興味に沿って、心理学(とくに臨床心理学)に関するテーマを幅広く取り扱っています。

    ☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
    • 女子大学生におけるポジティブ志向と主体性・客観性の関連について
    • 少女漫画家「萩尾望都」の親との向き合い方
    • 若者のかわいい価値観形成―なぜ女子は「かわいい」を連呼するのか―
    • 摂食障害と日本女性との関係性―女性の社会的存在・文化的存在としての変化―
    • 「自分のためのやさしさ」と対人関係の心理的背景
    • 若者の承認欲求―「何者」かになりたい若者たち―
    • 家族におけるトリックスターの働き―「クレヨンしんちゃん」を通して―
    • 物語から見る親と子の共依存
    • 単独で非行する女子の非行要因について―「普通の子」の心理―
    • 女子大学生におけるデートDV調査

    松田哲(まつだ さとる)

    ☆主な担当科目:国際関係論、国際関係史
    ☆専門領域:国際関係論、南北問題の国際政治経済学、途上国開発理論、スリランカ地域研究
    ☆研究紹介:

    国際社会で発生している様々な出来事について、政治や経済、文化といった多様な視点から考えてみようとするのが、国際関係論という学問です。基本的には、この世界で起きていることすべてに興味をもっていますが、より専門的に研究しているのは南北問題の歴史、途上国開発理論、スリランカにおける内戦と民族共存の問題です。アマルティア・センというインド出身の経済学者・倫理学者の思想についても、ゆっくりとではありますが、フォローしています。地域としては、南アジアだけでなくアジア全域に関心をもっています。この世の中には知らないこと分からないことがたくさんありますから、京女の学生の皆さんと一緒に、幅広く学んでいきたいと思っています。

    ☆専門ゼミ:

    国際社会では、昔も今も、様々な出来事が起きています。このゼミでは、それらの出来事をより深く考えるために必要になる、「国際社会を見る眼と考える知性」を養うことを目指します。3回生のゼミでは、まず、国際社会の基本的な見方と基礎知識とを身につけることから始めます。それに続いて、各人の関心のある問題について調査・発表してもらい、皆で議論をしながら理解を深めていくことにします。以上のプロセスのなかで研ぎ澄ませた問題意識を働かせながら、3回生の冬になる頃に卒業論文の研究対象を決定していただきます。3回生のゼミでは、ゼミの友人と一緒に関心をもっている問題を学び合うことを通じて、国際関係に対する幅広い視野を身につけることを期待します。4回生のゼミは、卒業論文の中間報告と、それに対するゼミ生全員による質疑応答がメインになります。卒業論文の執筆を通じて、出来事の背景事情を深く見通す力、それをもとに将来を展望し、現状を変革するために必要となることは何かを考えていく洞察力を身につけることを期待します。


    松本充豊(まつもと みつとよ)

    ☆主な担当科目:政治学アプローチ、政治過程論、市民社会論
    ☆専門領域:比較政治学、現代台湾政治、中台関係、東アジア政治経済論
    ☆研究紹介:

    台湾を主なフィールドとして、東アジアの民主化とその後の民主政治のあり方について研究してきました。最近は政治制度とそれがもたらす帰結に注目しながら、日本や韓国など東アジアの民主主義国との比較研究を進めています。また、経済のグローバル化が進む中で大国化した中国と、台湾そして日本との関係を考察するという課題にも取り組んでいます。
    著書として、『中国国民党「党営事業」の研究』(アジア政経学会)、共著として、『アジアにおける大統領の比較政治学』(ミネルヴァ書房)、『アジアの政治経済・入門[新版]』(有斐閣)、『政党システムの理論と実際』(おうふう)、『北東アジアの市民社会』(国際書院)、『選挙と民主主義』など。

    ☆専門ゼミ:

    現代中国を中心とした東アジアの政治について学び、政治学の視点から自分の関心のあるテーマについて調査・分析し、考察できるようになることを目指します。3年生前期には、現代中国をめぐる諸問題をテーマとしたテキストと英語や中国語で書かれた補助教材をもとに、中国や東アジアの政治に対する理解を深めていきます。現代中国を取り上げるのは、現在のアジア情勢は中国を抜きにしては語れないからです。3年生後期には、各自の問題意識を掘り下げるとともに、卒業論文の執筆に向けた研究発表に取り組みます。4年生では、報告と質疑応答を繰り返しながら、卒業論文を完成させていきます。


    丸野由希(まるの ゆうき)

    ☆主な担当科目:プログラミング入門、応用プログラミング、テキスト処理の技法
    ☆専門領域:データマイニング、機械学習
    ☆研究紹介:

    私たちは、文字で書かれた情報や画像、音声などは直感的に理解できます。しかし、スマートフォンに組み込まれているセンサから得られる様々な情報(加速度、GPS など)は、人間が直接見て解釈するのは困難です。そのようなデータを自動的に解析・解釈して生活に役立てる方法(データマイニング、機械学習)を研究しています。情報技術の発展によって、私たちは生活の中でも膨大なデータを得ることができるようになりました。日々進化している機械学習の手法を用いることで、データの山から思いがけない宝物を発見することができるかもしれません。

    ☆専門ゼミ:

    このゼミで学ぼうとする人は、プログラミング、ネットワーク、データベースなどの情報系の科目を履修することが必須です。3回生のゼミでは、2回生までに学んだ基礎をベースに、プログラミングの応用スキルを学びます。春と夏には合宿による特訓も行います。それらを通じて、データ解析や可視化など、レベルの高い IT 技術を身につけることができます。4回生では、各自の卒論テーマに沿ってプログラミングおよびデータ分析を進め、卒業論文は TeX で執筆します。


    水野義之(みずの よしゆき)

    ☆主な担当科目:情報学アプローチ、社会情報学
    ☆専門領域:物理学(素粒子物理、核物理、放射線学など)、情報学(情報教育、放射線シミュレーションシステムソフトウェアの研究開発、e-Learning システム・ネットショップシステムの構築研究など)
    ☆研究紹介:

    高校時代に物理を学んでいない人は多いと思います。しかし社会学も法学も高校時代にない学問ですよね。この意味では物理学も同じで、新しい学びだと思って下さい。高校時代に理系だった人にはチャンスでしょう。最高の教育を受けられます(と思います)。理系の勉強を究めたい人には向いています。

    物理学も結構古い学問で、日本でも江戸時代からありました。今の物理学を、当時は窮理学と呼びました。窮理(きゅうり)とは理を窮(きわ)めるという意味で、江戸時代の「朱子学」から来た言葉です。何かの原理を窮め、本当はどうなのか疑い、広くものを見る態度をなくさない。これは現代社会を生きる智慧と同じだと思います。そんな学問が物理学です。
    そのスタンスで物質の根源を窮めようと思って私が若い頃にやったことは、陽子や中性子の内部にある「クォーク」という素粒子の測定です。物理学の見方はモノの理を窮めるという意味で万学に通じます。私は現代社会学部に赴任して以来、自分の研究というより自分の研究の「幅」を広げる研究をやってきました。2011年以来の福島原発事故災害への関わりもその一つです。福島復興支援はそれ自体が研究に値する程、難しい問題を多くはらんでいます。「文理融合」がこの学部のキーワードの一つです。

    「情報学」という言葉もあまり聞かないかもしれません。情報学も物理学と類似の意味で、万学に共通します。この理由は情報(知識)を扱わない学問はないからです。情報の意味変化や情報の流れを見ることで、社会の姿も見えてきます。

    今までやった研究は、社会情報学の研究、動画データベースを扱うe-learning システムの構築と評価(京都大学大学院・情報学研究科との共同研究)、ネットショップシステムの最適化研究(東京電機大学・情報環境学部との共同研究)、地域SNS のデータ分析研究(大阪市大学・生活科学部との共同研究)、福島復興支援(福島県の現地の方々との共同研究)、新型望遠鏡建設プロジェクト支援(京都大学理学部宇宙物理教室との共同研究)、太陽スーパーフレアに伴う放射線のコンピュータシミュレーション研究(京都大学宇宙総合学研究ユニットとの共同研究)などです。

    ☆専門ゼミ:

    2011年以来、専門ゼミでは福島復興支援をテーマにして、主に「放射線学」と「情報学」の側面から研究をやってきました。「放射線」は目に見えないから興味深い。皆さん知らないだけで、自然には放射線がいっぱいあります。そんな放射線を測定器で見ることが出発点です。「情報学」というのは、社会を流れる「意味」としての「情報」が生み出す「現象学」です。「情報」について考え、よりよい社会や人間を研究することが目標です。3回生以降の水野ゼミでは、福島復興支援を目的としてきました。3回生の夏にはゼミ合宿、秋には外部イベント企画にも参加して他流試合をやってます。班に分かれて放射線学と情報学の基礎を学びました。

    ☆ゼミ生の主な卒論のタイトル(2013年3月卒業生4人の場合):
    • 福島県いわき市の歴史・災害復興過程と住民活動の視点からみたまちづくりの研究
    • 拡散型霧箱と可変トリガーを活用した宇宙線μ粒子の深非弾性散乱観測に関する研究
    • 震災等災害時における子どもの実情と身体的・精神的ケアの改善に関する研究
    • 高指向性ガンマカメラ開発による環境γ線測定の最適化に関する研究

    宮下健輔(みやした けんすけ)

    ☆主な担当科目:コンピュータ・ネットワークI,同II,ネットワーク運用,情報数学,情報論
    ☆専門領域:情報工学、特にネットワーク運用管理手法に関する研究
    ☆研究紹介:

    本学のネットワークの運用管理を日常的に行っている経験を活かして、より快適でより安全なネットワーク環境を構築し維持するために役立つ研究をしています。例えば数百台のコンピュータを少ない手間で効率良く管理する方法を考えたり、ネットワークの使い心地を定量的に評価して問題点を発見したり、複数のサービスをうまく統合してより使いやすいサービスを開始したりすることなどをテーマとしています。
    また近年は、各種センサをネットワークで結ぶことで実世界の様子をデータとして収集しそれらを処理して新たな知見を得るような、いわゆるIoT(Internet of Things)とビッグデータを活用することも視野に入れています。

    ☆専門ゼミ:

    私のゼミで学ぶには、スキル科目やクラスタ科目等を通じてIT(情報技術)に関する基礎的な知識とスキルを身に付けておくことが必要です。
    2回生の演習から、専門ゼミのための準備になるようなテーマでゼミを開講しています。まずはプログラミングの楽しさを知ってもらうために、ブロックを組み上げることでプログラムが作れるソフトウェアなどを利用して、自分のノートPCで自分の作ったプログラムを動かします。また、手のひらに乗るサイズの小さなコンピュータを使って温度を測ったりLEDを点滅させたりすることで、実世界のデータを利用したプログラムの作り方を学びます。
    3回生からは専門ゼミとして、より本格的なプログラミング技法を学んだり、データベースシステムやWWWを利用したアプリケーションの作成など、より実際的な知識とスキルを身に付けます。そのために春と夏に丸野ゼミと合同で合宿を行います。また、学外のIT関連施設を見学したり各種IT関連イベントにスタッフとして参加することで、ITに関するキャリア形成に役立てたり人脈を広げたりします。それらの財産を元に、よりよい社会を創るため、誰かを幸せにするためにITを活用するにはどうすればよいかということを考え、実現できる人を育てたいと考えています。

    ☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
    • MMDAgentを用いた京都女子大学キャンパス案内の提案
    • 京都女子大学における無線LAN利用動向の分析および昨年度との比較による考察
    • ARtoolkitを用いた電脳メガネの試作
    • インターネットにおける個人情報の発信についての考察と提案
    • Arduinoを用いた無線LAN対応赤外線リモコン兼温湿度ロガーの開発

    森久聡(もりひさ さとし)

    ☆主な担当科目:都市政策論,市民活動論,景観文化論,まちづくり研究(大学院)
    ☆専門領域:都市社会学,地域社会学,環境社会学,社会調査法(質的調査)
    ☆研究紹介:

    広島県福山市の南端に位置する「鞆の浦」という港町のフィールドワークを続けてきました。鞆の浦には,近世に建造された港湾遺産と歴史的な町並み景観が数多く残っているのですが,現在,港を埋め立てて道路を架橋する公共事業の是非をめぐって,住民の間で意見対立が続いています。ある住民はなぜ道路が必要だと考えるのか。別な住民はなぜ港湾遺産と町並み景観を残したいと思うのか。これらの問いを通じて,戦後日本の都市開発政策の問題点や瀬戸内海の地域社会の日本的特質について研究しています。

    また近年では「炭鉱」の研究にも取り組んでいます。戦後最大の炭鉱事故である,1963年の三池炭じん爆発CO中毒事故を再検証し,事故や災害が少なかった釧路・太平洋炭鉱との比較をしようとしています。対照的な2つの炭鉱を保安システムや安全技術を運用する人間の資質や組織の在り方を考察することで,現代社会の大きな課題の一つである保安と防災について考察したいと思っています。

    社会で生きていくなかで困難や問題に直面した時,人々はそれらを解決し,より豊かな生き方を実現するために,時に協力したり,時に反発し合いながら様々な取り組みや創意工夫の実践をして,乗り越えようとしています。こうした懸命に生きる努力と実践の記述を通じて,それらが持つ社会的な意義を明らかにすることが社会学の課題の一つだと考えて研究を続けています。

    ☆専門ゼミ:

    専門ゼミの副題は「都市政策とまちづくり・地域再生,公害・環境問題の社会学的フィールドワーク」です。ゼミ生は各自の研究テーマを設定してゼミ修了論文・卒業論文の執筆を目指します。

    この演習は「山登り」に似ています。自分で挑戦する山(研究テーマ)を選び,ルートや天候を調べて,山の特徴に合わせた訓練を重ねていきます(文献講読)。そうやって準備をしたうえで,自分の力で山頂を目指します(現地調査の実施とゼミ論文の執筆)。山頂に向かう途中,順調に進むこともあれば,険しい斜面や悪天候で苦しむこともあります。けれど同じ目標を持った仲間とお互いにアドバイスをしながら,たくさんの挑戦と苦労,成功と失敗を積み重ねた先に見える山頂の景色は,きっと忘れられない経験となるでしょう。この専門ゼミでは,今の自分にとって少し重い課題に挑戦することで,自己ベストの更新を目指します。

    この専門ゼミで学ぶ社会学とは私たちの日常世界を考えるための「道具」であり,大学で社会学を学ぶということは,「知識」を得ることではなく,「考える道具」を使って新しい知識を生み出す方法を身に付けることであると思います。安易に「~すべき」と軽々しく論じて分かったような気になるのではなく,大学での学びを通じて,じっくりと丁寧に「なぜ,~なのか」を考えるチカラを身に付けて欲しいと思います。


    亘明志(わたり あけし)

    ☆主な担当科目:社会学アプローチ、社会学概論、文化社会学
    ☆専門領域:社会学(文化、社会意識、映像社会学、コミュニケーションとメディア、差別問題、戦争と記憶の社会学)
    ☆研究紹介:

    (1)「近代化」とメディア社会に関する研究。視覚空間の変容と近代化の関連を考察・検証すること。カメラ・オブスキュラをモデルとする遠近法的な均 質空間から19世紀前半の主観的視覚への転換が近代の変容を特徴づけたとする見解は映像メディアの歴史の重要性を改めて再認識させるものです。こうした方向を踏まえて、日本においてこの視覚の変容(さらに身体感覚の変容)と近代化がどのように関わっているのか、また一般に 情報社会化と国民国家の成立はどのような関係にあるのか、を研究しています。

    (2)文化社会学的観点、もしくはカルチュラル・スタディーズのアプローチを採り入れた現代社会分析。現代社会を大衆社会、管理社会、知識社会、後期資本主義、あるいは消費社会等の観点からとらえる現代社会論はすでに展開されていますが、メディア状況の大きな変容を踏まえて、広い意味での「文化」の問題を採り入れた現代社会の分析が求められています。そこで、電子メディア、とりわけインターネットやケータイの急速な普及に伴うメディア状況の変容を実証的に研究しつつ、それを踏まえて、現代社会のトータルな把握を可能にするような文化社会学を構築することを目指しています。

    (3)ポストコロニアル状況と文化社会学に関する研究。従来の文化社会学は先進社会をモデルにした、均質な社会を前提にした議論が多かったように思います。しかし、グローバル化やポストコロニアル状況といった背景を考慮しなければ、社会をリアルに把握することはできません。今後は歴史社会学的方法を取り入れて、戦時下およびポストコロニアル状況下で、メディアや文化はどのように人々の意識のあり方に関与してきたのか、といった問題を具体的に研究する予定です。

    ☆専門ゼミ:

    専門ゼミ(演習III~演習VI)は、4年間の学生生活の学びを、卒業論文という作品に結晶化させることを目標とします。
    3回生の演習IIIでは、文化社会学の基本的な文献をリサーチし、発表します。演習IVでは、各自の関心に沿って、特定の文化領域について、文献、インターネットで調べ、可能ならばフィールドワークを行い、研究テーマを絞っていきます。
    4回生の演習Vでは、卒論の書き方を学ぶとともに、夏休み前までに最終的に自分の研究テーマを決定し、研究計画書を書き上げます。後期の演習VIでは、発表や討論をしながら、自分なりに納得できる卒論を完成させます。

受賞!

私事(?)ですみません。

情報処理学会インターネットと運用技術研究会(略称IOT研究会)というのがあります。数百人の会員を抱える研究会です。その名前の通り、インターネットに関わることやネットワークの運用技術全般についての研究者が集まっています。

このIOT研究会では、1年間を通じて研究会で発表された論文(年5回の機会があり、1回につき10〜20本の発表があります)の中から、社会に役立つ運用技術のベストプラクティスを選定して「藤村記念ベストプラクティス賞」を授賞しています。この賞はIOT研究会の前身である分散システム/インターネット運用技術研究会(略称DSM研究会)の主査であった藤村直美先生(九州大学)の情報処理学会フェロー就任を記念したもので、昨年度発表された論文を対象として制度が始まりました。

今回、その栄えある第1回受賞論文のうちの1つとして、下記の論文が選ばれました

中山貴夫,宮下健輔「京都女子大学におけるサーバ仮想化基盤の構築」

これは平成28年3月に開催された平成27年度第4回(通算第32回)研究会で発表されたもので、題名の通り本学情報システムの更新にあたりサーバ仮想化基盤を構築した経緯をまとめたものです。中山先生と私は本学の情報システムの管理運用を長く担当しており、情報システムセンターという事務部署と協働して日常的な運用やこのような機器更新をしています。今回このような賞をいただいたことは大きな励みとなります。この場を借りて情報システムセンターをはじめ関係者各位に感謝する次第です。

本学図書館は情報処理学会と契約していますので、本学の学内ネットワークから上記論文にアクセスすると無料で読むことができます。