これは大阪の高校で物理の教師をしておられる山田善春さんの 風船音響通信 の原理説明のために書いた解説とシミュレーションです。
気体の中での音の速度は気体の分子量の平方根に反比例します。そのため異な る気体の境界を音波が通過するときには、その進路が屈折します。このことを利 用して、大きな風船に空気よりも重い気体を入れて膨らませれば、その風船はち ょうどレンズのように音を集めることができるのです。逆に空気より軽い気体を 入れた風船は音の対してまるで凹レンズ(負の凸レンズというべきか)のように 音の進路を広げることになります。
ここでは、単純な幾何光学を使って、風船に外から当たった音波がどのように 通過していくかをシミュレーションするプログラムを作成してみました。3枚の 図を下に掲げています。二酸化炭素を入れた風船による beams1, beams2 の 様子をみると、2個の風船を使えば遠くの人と話しができることが理解できます。
なおこの計算は光の屈折に対してもまったく同様に使えますので、レンズの原 理の説明にも利用できるでしょう。
作成したシミュレーションプログラムも自由に持っていって使ってもらうよう にしておきました。プログラムは、もっとも単純な言語のひとつであるAWK で書 かれており、出力は LaTeX で行っています。なじみの薄い処理系と感じる方も おられるでしょうが、これらは Windows95 や Macintosh でもフリーのソフトが 出回っていますので、挑戦してみてはいかがでしょうか。いろいろと物理パラメ ータを変えながら音波の伝わる様子を見るのは楽しいものです。
二酸化炭素を入れた風船に右側の近いところから音波(球面波)を当てたときに生じる平面波 beams2
ヘリウムを入れた風船に右側の遠くから音波(平面波)を当てたときの音波の拡散 beams3
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