☆主な担当科目:心理学アプローチ、臨床心理学、人間関係の心理学
☆専門領域:臨床心理学、精神医学
臨床心理学と精神医学、どちらも人の心や身体、精神や脳といったものを探究する学問なのですが「ものの見方」が違います。これらの「ものの見方」を対立させるのではなく融合させることで、捉えどころの難しい人間という存在を理解することを目指しています。研究活動と同時に病院での臨床活動を行っていますので、病を抱えるひと、悩みを持つひとが、自分の心のうちにあることや今まで生きてきた人生をどのように「物語り」、そして治癒していく過程でそれがどのような「物語り」に変化していくのかといったところに興味を持っています。
☆専門ゼミ:
2回生では、数人ずつのグループに分かれてグループ研究をしています。いくつかの心理テスト(心理尺度と言う)を組み合わせて、多くの人たちに質問紙調査を実施します。そこから得られたデータから、普段の日常からはわかりにくいような人間の心の特徴を探っていきます。調査のテーマは、日頃疑問に思っている事柄を自分たちで話し合って自由に決めます。
3回生では、それまでに培った臨床心理学の素養を十分に活かして、「人の心」と「人間の表現や物語(たとえば映画や小説、漫画、アニメなど)」の関係について、臨床心理学的な考察を試みながら理解を深めていきます。優れた物語・芸術作品というものは、人間の在り方や生き方といった普遍的な問題を的確に表現してくれています。人間理解のための感性を磨きましょう。
4回生は、自分にとって重要であると思われる自分固有のテーマを取り上げ、卒業論文の作成に取り組みます。個人の興味に沿って、心理学(とくに臨床心理学)に関するテーマを幅広く取り扱っています。
☆ゼミ生の主な卒論のタイトル:
- チアリーディングチームにおけるキャプテンシーとチームワークがパフォーマンスに及ぼす影響
- 女子大学生におけるポジティブ志向と主体性・客観性の関連について
- 親を殺して得るアイデンティティー―少女漫画家「萩尾望都」としての親との向き合い方―
- 若者のかわいい価値観形成―なぜ女子は「かわいい」を連呼するのか―
- 摂食障害と日本女性との関係性―女性の社会的存在・文化的存在としての変化―
- 女子学生の就職活動におけるストレスが就職活動に及ぼす影響について
- 若者の承認欲求―「何者」かになりたい若者たち―
- 少女マンガの「男装少女」に見るジェンダー表象論
- 若者の「ぼっち族」化―なぜ若者はひとりを好むようになったのか―
- 過去の失敗経験が現在や未来の自分に与える影響についての2つの捉え方
- 女子大学生におけるデートDV調査
- 岡崎京子『リバーズ・エッジ』―終わらない日常―