森久聡先生が地域社会学会奨励賞を受賞しました!

森久聡先生が学会賞をいただきました。おめでとうございます。以下、ご本人の報告です。


教員の森久聡です。

5月に開催された地域社会学会において,私が2016年に出版した拙著『〈鞆の浦〉の歴史保存とまちづくり――環境と記憶のローカル・ポリティクス』(新曜社)が地域社会学会奨励賞(個人著作の部門)を受賞いたしました。

受賞した著書と賞状

受賞した著書は,歴史的な町並み景観がたくさん残る広島県福山市鞆の浦地区を対象にしたもので,鞆の浦のまちづくりに取り組む市民や行政の動きを環境社会学,都市社会学,地域社会学,民俗学の視点から考察したものです。鞆の浦の歴史的な町並み景観を守るために奮闘する市民の生きた言葉を解読したり,なぜ鞆の浦の人々にとって町並み景観(=歴史的環境)が重要なのか明らかにしています。また,鞆の浦の奥深い歴史を踏まえることで,この地域で30年近く論争になった道路建設問題の隠された争点を解明したり,瀬戸内海地域に多く見られる地域社会の特徴を描き出しています。

鞆の浦の港の様子

受賞した著書は京女付属図書館で手に取ることができます。また森久が担当している「環境社会学」の講義のなかで鞆の浦を紹介しています。もっと深く鞆の浦について知りたい人には3回生配当の社会調査の実習科目である「フィールドワーク1,2」(3回生配当)があります。森久が担当する「フィールドワーク1,2」のクラスでは,毎年,鞆の浦でフィールドワークを実施して調査報告書を作成しています。鞆の浦のフィールドワークに行ってみたい人は3回生になった時に履修してみて下さい。「フィールドワーク1,2」は課題も多く毎週苦労の連続ですが,その分,報告書が完成した時の達成感は大きいと思います。

2016年度京都女子大学鞆の浦調査報告書の表紙