「フィールド・ワークⅡ(日高クラス)」では、現代のテレビ視聴の実態に関する「オーディエンス・エスノグラフィ調査」の実習を行っています。さまざまなディスプレイ/スクリーンに複雑に取り囲まれた現代の私たちにとって、「テレビを見る」とはどのような行為・意味を指しているのか。調査協力者の自宅でのテレビ視聴の様子を参与観察し、半構造化インタビュー調査とあわせて実態を明らかにしていく授業です。
そんな受講生たちがいつもとは反対に(?)、「どのようにテレビを見ているのか」をヒアリング調査されました。電機メーカーの業界団体であるJEITAのなかで活動している「コンテンツ視聴における未来像検討タスクフォース」のみなさんが10月5日の授業を訪問され、グループディスカッションをとおして受講生の実態を根掘り葉掘り聞き出していきました。
ヒアリング調査では受講生たちは2つのグループに分かれ、タスクフォースの方の司会進行に沿って、テレビ視聴をめぐるさまざまなトピックについて盛んに話をしていたようです。「どうしたら若者はテレビ受像機を必要とするだろうか」といった真面目な議論をしているかと思いきや、一方では質問によっては大きな笑い声も響いており、和やかな雰囲気でヒアリング調査が展開していました。
タスクフォースのみなさんは日本全国の大学をまわって、若者によるテレビ視聴の現状把握とテレビ関連デバイスの未来像についてのアイディアを聞いて回り、報告書のかたちでまとめていくそうです。本授業のプロジェクトとも関心が重なるところもあり、受講生にとっても興味深いディスカッションの時間だったのではないでしょうか。貴重な機会をありがとうございました。
(日高良祐)