小学生向けプログラミング教室開催

7月29日(土)午後,付属小学校の小学生を対象にしたプログラミング教室を開催しました.内容は低学年向けに「マウス操作に慣れよう」「Scratchで猫とボールを動かそう」というテーマで1時間ずつ,高学年向けには同じくScratchを使った練習課題と自由制作でした.インストラクターを務めたのは丸野ゼミの4回生たちです.

1年生〜3年生は合計50人弱が参加してくれました.PCに触るのはこれが初めてという子もいるので,最初はマウス操作に慣れることから始めました.インストラクターの説明に合わせてクリックしたり,ドラッグしたりすることに慣れました.

低学年クラスの様子
低学年クラスの様子

その後,Scratchで猫とボールを動かすプログラムに挑戦です.皆さんとても上手に操作していて,中にはスイスイと作る子もいました.最後の方は余った時間で自由にプログラムを改良して楽しみました.特に「音を鳴らす」ことが大人気で,教室中に猫の鳴き声が響いていました.

高学年クラスの様子
高学年クラスの様子

4年生と5年生は合わせて20人弱でした.こちらはマウス操作も慣れたもので,Scratchで次々に作品を作り上げていました.このクラスでも丸野ゼミの学生を中心に,子供たちのScratchの質問に答えていました(実は試験期間中でスタッフが足りず,史学科や音楽,心理の学生さんにも声をかけて来てもらいました).

どちらの教室でも,家で続きを楽しめるように,Scratchのサイトにサインインするときのユーザ名とパスワードをメモした紙を最後に持って帰ってもらいました.

あっという間の2時間でしたが,笑顔や歓声,拍手があちこちから聞こえ,参加した子供たちは楽しんでいたように見えました.ご協力くださった付属小学校の先生方に感謝します.ありがとうございました.

この夏,KWU小学生プログラミングコンテストが開催されます.楽しい作品が作れたら,ぜひご応募ください!

IOTS2016に参加しました

情報処理学会に「インターネットと運用技術研究会」(略称:IOT研究会)があり,毎年「インターネットと運用技術シンポジウム」(略称:IOTS)を開催しています.IOTSでは広くインターネットと運用技術にをテーマとした研究発表や招待講演,パネルディスカッションなどが2日間にわたって行われ,同時にIT企業による製品展示やデモンストレーションも実施されます.

本学部教員の宮下や中山がIOT研究会に所属している縁で,2009年(第2回)以来,このIOTSにネットワークを学ぶ学生が参加し,会場のネットワークを構築・運用しています.昨年からはこれを人材育成の場と考え,複数大学から学生を募集して作業することにしました.今年のIOTS(IOTS2016)には,大分大学,広島大学,広島市立大学,京都女子大学の学生や大学院生が計7名(うち3名が女性)集まり,会場ネットワーク構築と運用に従事しました.本学部からは宮下ゼミ3回生の山内佳奈さんと山崎友梨奈さんが参加しました.

実施のおよそ1ヶ月前に連絡用メーリングリストが作られ,ネットワーク担当の実行委員や学生さんが様々な情報交換をしながらネットワークの設計を進めました.そして開催前日に現地(福山大学)入りし,会場設営と同時にネットワーク構築を開始しました.

ルータ設定中
ルータ設定中

本学部の学生さん以外は工学部情報系学科や情報系研究科所属ですが,実際のネットワークを構築するという点では専門や大学の垣根を越え,全員でUTPケーブル作成やルータの設定など協力していました.特に今年は前夜祭に学生さんが全員参加して仲良くなっていたのが印象的でした.

UTPケーブル作成失敗
UTPケーブル作成失敗

今回はメイン会場を本学部と大分大学の学生さんで,企業展示会場を広島大学と広島市立大学の学生さんで担当し,それぞれが事前に作成した設計にしたがってネットワークを構築しました.いくつか小さなトラブルがありましたが,大きな問題はなく,2日間にわたり150人ほどの来場者にネットワークを提供することができました.また,2日目夕方には「学生パネルセッション」として,今回の構築作業に参加した学生さんに体験を語ってもらい,会場の研究者やエンジニアと意見交換する場を設けました.

学生パネルセッション
学生パネルセッション

いわゆる「イベントネットワーク」(短期間のイベントのためのネットワーク)を構築することには,長期間にわたって利用される設備としてのネットワークを構築するのとは違う難しさや楽しさがあります.このような展示会も含むイベントの場合は,最新技術や最新機器に触れる貴重なチャンスでもあります.学生さんたちには今回参加したことでたくさんのことを学び,将来に活かしていただきたいと思っています.

ICTトラブルシューティングコンテストに参加しました

こんにちは.宮下です.

今回で6回目を迎えるICTトラブルシューティングコンテストが,8月27日と28日の2日間に亘り,NTT西日本をプラチナスポンサーとして大阪で開催されました.このコンテストはICTシステムの運用技術の中でも特に難易度の高いトラブルシューティングのスキルを競うもので,高専,大学,大学院の学生がチームを作って臨みます.トラブルシューティングのためのICT環境の構築や運用,コンテストのための問題作成や当日の運営なども実行委員の学生たちが担当し,ICT企業の「大人」たちはこれに協力しながら温かく見守るという体制で開催されています.

今回のコンテストには15チームがエントリーしました.工業高専や工学部,大学院生など情報系の学生が集まる中,ひときわ目立つ「現代社会学科」という名前,しかも唯一の女子チームでした.

問題に取り組んでいます
問題に取り組んでいます

他のチームには女子がいないか,いても1名という,とにかく女子率の低いコンテストの中でこれは目立ちました.しかしこういう社会を変えていくために本学部は情報系に注力しています.いずれ男女比が1:1のコンテストになってほしいものです.

今回参加したのは本学科の情報プログラム科目「応用ネットワーク」を受講している3回生3人で作ったチーム「PC小町」です.「応用ネットワーク」では,このコンテストでも使われているCisco社のネットワーク機器を利用した実習を行っています.しかしトラブルシューティングそのものを授業で扱うことはないので,彼女たちは夏休み中に勉強会を開いて準備をしていました.

3人で知恵を出します
3人で知恵を出します

コンテストは2日間,朝から夕方までトラブルシューティングを実施します.チームごとにスイッチ1台とルータ2台で作られたネットワーク,IP電話1台と問題に応じてクラウド上にVM(仮想化されたサーバ)などが用意されます.これらを利用した問題(何らかの不具合のあるシステムやサービス)が示され,その不具合を解決して原因と解決手段を報告しそれが採点されるという形で進められます.問題はVPNやIP電話,WWWサーバ,CloudStackによる仮想基盤など異なるレイヤにわたる幅広い知識とスキルが求められるものでした.

1日目の終わりには懇親会,2日目の夕方にはスポンサー企業によるセミナーが開催され,各チームの学生どうしや学生と企業の交流が盛んに行われました.スポンサー企業から来ている人の中には過去のコンテストに参加したことが縁で就職した方もいました.私もたくさんの企業の方々とご挨拶しましたし,皆さん一様に女性エンジニアを求めてらっしゃいました.

最後には1位から3位までのチームが表彰され,それぞれ盾や賞金を受け取っていました.残念ながらうちのチームは入賞できませんでしたが,参加賞としての各社ノベルティや書籍,そして楽しかった思い出ともっと勉強しようというモチベーションを手に会場をあとにしました.以下,今回参加した3人のコメントです.

井上さん:「最初は不安や心配なことが多かったですが、出場したことで普段することができない経験ができました。問題は難しかったですが、こういうトラブルが現実に起こり得るということを学ぶこともできました。自分の知識不足を実感しましたが、楽しんでコンテストに参加できたので、やってみてよかったなと思います。」

新谷さん:「問題に苦戦し、自分の知識の少なさに改めて気付かされました。しかし、今回出場したことで、新たな気づきもありいい経験になりました。なりより、楽しかったので出場してよかったと思います。」

山崎さん:「コンテストのために調べて初めて知った技術や、講義で使っている機材でも、あらためて「この子、こんなことまでできたんだ!」のような発見がたくさんあり、とても楽しかったです。でも、問題はとても難しかったので「もう少しわかるようになりたいな」という悔しさもありました。最初は出ることに迷いもありましたが、出てみてよかったと本当に思います。」

最後になりましたが,ICTトラブルシューティングコンテスト関係者の皆さんお世話になりました.ありがとうございました.

追記:今回のコンテストの成績が後日届きました.それを見た学生さんたちは「案外,イケてた」という印象だったようです.また,「もう少し粘っていればもっと上が狙えた」という悔しさもあり,「できればもう一回出たい」という気持ちが芽生えているようでした.

OSC Kyoto レポート

こんにちは.宮下です.

先日投稿した記事にも書きましたが,先月末京都で開催されたオープンソースカンファレンスにゼミの学生さんたちと一緒に参加してきました.そのイベント全体のレポートを,やはりうちのゼミ生である高岡さんと田代さんが書きましたのでご紹介します.ぜひご覧いただければと思います.

もしレポートを読んで興味を持たれたら,来年夏ぜひご来場ください.また,オープンソースカンファレンス自体は毎月のように全国各地で開催されています(9月は東京と島根です)ので,お近くで開催の際はぜひお立寄りいただければ幸いです.

OSC Kyoto 参加報告

こんにちは.宮下です.

オープンソースカンファレンス(OSC)という催しをご存知でしょうか.オープンソースとはソフトウエアを構成する元となるプログラム(ソースコード)を公開していることを意味します.ソースを公開すると,(プログラムの知識が少々必要ですが)誰でもそのソフトウェアの仕組みを知ることができ,多くの場合,誰でもそのソフトウェアの開発・改善に参加できるようになります.インターネットの発展はオープンソースソフトウェアなくしてはあり得ず,現在でも数多くのオープンソースソフトウェアが広く普及しています.OSCはそのようなオープンソースソフトウェアに関係している個人や団体が数多く出展し交流を深めるためのイベントで,北海道から沖縄まで開催地を替えながらほぼ毎月のように開催されています.

OSC Kyoto 会場の様子
OSC Kyoto 会場の様子

毎年夏に京都(会場:京都リサーチパーク)で開催されるOSCは毎回1000人以上が来場する大きなイベントで,今年で10周年を迎えました.また,今までOSC Kansai@Kyotoと呼ばれていたものが今年からOSC Kyotoとなりました.このイベントには,数年前から実行委員長をされていた京都ノートルダム女子大学のよしだともこ先生からお声がけをいただき,3年前くらいからゼミの学生さんたちと一緒にスタッフとしてお手伝いをしたりブースを出したりしています.

今年はスタッフとして会場設営や受付などを分担する傍ら,京都大学,京都産業大学,京都ノートルダム女子大学,立命館大学などの学生さんたちと一緒に「ローカルスタッフブース」として会場に陣取り,以下のように大きく2つの「出し物」をしました.

おじさまを操ろう

おじさまを操ろう
おじさまを操ろう

いったい何のことかと思われそうですが,これはプログラムの動作原理を体験してもらうための展示です.今年初めての試みでした.

ブースにはロボットのような格好をした「おじさま」と彼に指示するためのカードがたくさんあります.カードはその「おじさま」が様々なポーズをしている写真(20枚くらい)と「2回くり返す」「3回くり返す」「ジャンプ」という種類があります.参加者(お客さん)は,好きなカード数枚を好きな順に並べます.例えば「バンザイ」「右足を上げる」「ジャンプ」「合掌」などです.また,「ジャンプ」の前など好きなところに「2回くり返す」を挟むこともできます.あとはランダムに選ばれたBGMに合わせて「おじさま」がその通りに動作するのを鑑賞します.曲調やリズムとポーズの組み合わせによってはかなりシュールな光景が展開されますし,無理なポーズが連続すると「おじさま」はその通りに踊れなかったりします(下の動画はブースの宣伝用に撮影した「豪華おじさま3人バージョン」です).

https://www.youtube.com/watch?v=Pn67DT40UBU

ここで「カード」がプログラムにおける様々な「命令」,「おじさま」が「コンピュータ」を表していると考えれば,これはプログラムによってコンピュータが動作する原理とほぼ同じことをしていると捉えられます.これはコンピュータの動作原理を楽しみながら学べる教材を考えるという研究テーマの一環でもあり,実際にこれで卒論を書く学生さんが担当しました.

そんな(ちょっと)真面目なテーマとは裏腹に「出し物」としては好評だったようで,ブースにはいつも手拍子や拍手,笑い声が響いていました.「おじさま」というネーミングは学生さんが考えたもので,ロボットの格好をする役のスタッフが私をはじめ男性ばかりということから発想したようです(中には「お兄様」世代もいたのですが…).

電子部品アクセサリー

電子部品アクセサリー部ブース
電子部品アクセサリー部ブース

こちらは抵抗やコンデンサ,半導体,基板などの電子部品を材料にかわいらしいアクセサリーを作って販売するものです.3年前くらいにゼミの4回生(当時)が自発的に始めた活動で,それ以来うちのゼミの部活動のように続いています.

ゼミの中で,コンピュータの電気的な構造や,ネジやツメなどを利用した物理的な構造を理解するためにPCを分解することがあります.これは私がどこからともなく集めてきた中古PCを利用しますが,近年はこれを聞きつけた同僚の先生方が廃棄予定のPCを提供してくださったりすることもあります.このときに分解したPC(の成れの果て)を材料にして,ピアスやイヤリング,ブレスレット,バレッタ,ネックレス,名刺入れやスマホケースなどを作ります.ホットボンドやレジン,手芸材料などを工夫して組み合わせ,けっこう楽しみながら作っているようです.

電子部品アクセサリー
電子部品アクセサリー

作品は数百円で販売します.アクセサリーとして見たときの新鮮さに驚く方,部品の型番などを読み取って講釈を垂れる方などお客さんの反応は様々でした.手作りのためどの商品もいわゆる「1点もの」で,作り手(学生)の個性があり,品物によってこちらが驚くほどよく売れたり,まったく売れなかったりするのも楽しいことです.

アクセサリーは大学祭やKOF2016でも販売する予定ですので,ご期待ください.twitterでもお知らせします.

公開講座「今さら聞けない情報セキュリティ」開催しました

以前このブログで予告した通り,7月23日(土)午後に現代社会学部公開講座「今さら聞けない情報セキュリティ」を開催しました.

公開講座チラシ
公開講座チラシ

当日は暑い中,たくさんの方にご参加いただきました.ありがとうございました.

まず最初に私(宮下)が公開講座全体の構成や講師のご紹介で講座を始めました.また,本題は「やっぱり役立つITの基礎知識」として,IT(情報技術)の基礎となるコンピュータの構造(ハードウエア,ソフトウェア),2進数,16進数,文字コードなどについて話しました.高校で「情報」が必修化された世代ならいざ知らず,それより上の方々にとってはこのあたりの基本的な事柄をまとめて聴く機会は少ないのではないかと思い,大部分の方には「釈迦に説法」かとドキドキしながらも丁寧な解説を心がけました.

猪俣先生の講演
猪俣先生の講演

次に東京電機大学の猪俣先生に「私の情報を守るセキュリティ技術 〜仕組みを理解し自分で守るためのスキル〜」という題でご講演いただきました.ちょうどリリースされたばかりのポケモンGoを絡めてプライバシーの問題を語ったり,迷惑メールの実例を元にフィッシングサイトの見分け方を伝授してくださったり,身近な話題で参加者を釘付けにしつつ,そこかしこにネタを仕込むのは猪俣先生ならではです.

大鐘さんのご講演
大鐘さんのご講演

3番目には(株)NSDのITスペシャリスト,大鐘さんにご登壇願い「なるほど!そういうことか!身近にあるセキュリティ対策の理由」と題してお話をいただきました.オンラインバンキングによる不正送金の問題,SNSなどのパスワード管理や多要素認証のこと,子供とスマートフォンのつき合い方などを理解するためのポイントはどこか,具体例がたくさん挙げられることで身近な問題として考えることができました.大鐘さんからはITエンジニアの視点に加えて,小学生の子供を持つお母さんの視点からのお話もたくさん伺えました.

吉岡さんのご講演
吉岡さんのご講演

最後は京都府警の吉岡さんに公開講座をキリッと〆ていただきました.サイバー犯罪の現状と対策について,国内や京都府の統計を使いながら,また具体的な事例もご紹介いただきながら,これまた身近な話題として話してくださいました.実は私の進行が拙く,常に5分遅れのプログラム進行だったところを,終了時刻を予定通りに戻してくださったのは吉岡さんの講演テクニックによるものです.

講演中に客席の後ろの方からこっそり参加者数を数えたところ,150人を超えたあたりで数え間違えたかと思ってしまいました.しかし,最後に数え直したら実に170人近い方のご参加をいただいていることがわかりました.定員300人弱の教室を会場にしておいてよかったとホッとしました.

各講演の間の休憩やすべての講演が終了した後も参加者からの質問が相次ぎ,今回の話題に対する参加者の皆さんの関心の高さが伺えました.今後も皆さんに楽しみながら勉強していただけるようなタイムリーな話題を考え,公開講座を開催したいと思いますので,どうかよろしくお願いいたします.最後になりましたが,ご講演いただいた先生方,参加していただいた皆さま,ありがとうございました.

PHPカンファレンス関西ネットワークお手伝い

こんにちは.宮下です.

先日,PHPカンファレンス関西が大阪はブリーゼホールで開催されました.こういう催しでは会場内にインターネットへの接続性を用意することがよく行われます.PHPカンファレンス関西でも,無線LANによる会場ネットワークが用意されました.今回,このネットワークの構築と運営,撤収などの作業を見学する機会に恵まれましたので,さっそくゼミの学生さん(3回生)と一緒に行ってきました.

当日(7月16日),スタッフは朝早く集合します.ネットワーク構築以外にもスタッフはたくさんいて,それぞれ会場設営や受付の準備など担当の作業を短時間でてきぱきとこなします.ネットワークスタッフは7〜8人で,会場内への無線AP設置やそれらを接続する有線ネットワークの設定,インターネットとの出入り口になる機器の設定などを事前打合せの通りに進めていきます.しかし事前設定の通りにコトが進まないのが世の常で,いくつかのトラブルを解決しながらの作業となりました.

無線APとスイッチの設置
無線APとスイッチの設置

私と学生さんは無線APの設置などちょっとした作業を手伝いつつ,全体の流れを見学していました.Cisco製の無線APはWLCという仕組みを利用して統合管理することが可能ですし,大学での授業にもこのような実習を取り入れてみたいと考えつつ,無線APを壁に貼り付けたりネットワークトポロジ図と目の前の配線を見比べたりしていました.

会場ネットワークが安定運用フェーズに移ったら,我々のお仕事が始まります.実は,今回は見学だけのつもりだったのですが,ネットワークスタッフのリーダーから「どうせなら」ということで懇親会場のネットワーク構築というお仕事をいただいていたのです.

無線AP設定中の学生さん
無線AP設定中の学生さん

さっそく無線APとスイッチを拝借して,学生さんと一緒にネットワーク構築のための設定開始です.スイッチは授業でもよく利用しているので,学生さんに大雑把な指示をして設定してもらい,私は無線APの設定をマニュアルと首っ引きで始めました.無線APから期待通りの電波が吹き始めた頃,スイッチの設定も完了しました.今回は無線APを2台利用するので,1台目の設定を元に,2台目は学生さんに設定してもらいました.学生さんには生まれて初めての無線APの設定でしたが,すんなり理解して対応してくれました.

設定完了した機器を懇親会場に設置して,思い通りのネットワークができたことを確認して作業終了です.あとは懇親会の間,ネットワークが切れたりしないか監視して過ごします.そして,懇親会終了時にネットワーク機器も撤収します.

「現代社会学部 現代社会学科」という「まるっきり文系」の学生さんがネットワーク機器の設定をしているという光景はやはり他のスタッフたちの関心の的のようでした.また,彼女自身がとても楽しそうに設定作業をしていることもスタッフには「受けた」ようです.彼女は授業やカリキュラム,ゼミのことなどいろいろ質問を受けながら楽しく過ごせたと言っていました.「授業で実習したときには「これ,実際にはどんなふうに使うのかな」と思いながらだったけど,今日それがすごくよくわかりました.すごく楽しかったです!」という感想をもらって,私も大満足でした.

今回はイベント時の無線ネットワーク構築・運用のノウハウを吸収できればと思い見学を申し出たのですが,思いがけずいろいろと手伝うことができました.今回は急な話でタイミングが合わず学生さん1人しか参加できませんでしたが,また機会があればたくさんの学生さんと経験を共有したいと思います.今回,快く受け入れてくださったPHPカンファレンス関西スタッフの皆さま,ありがとうございました.

公開講座「今さら聞けない情報セキュリティ」開催します

現代社会学部の夏の公開講座として今年は「今さら聞けない情報セキュリティ」を開催します.

  • 日時:平成28年7月23日(土)13時〜17時
  • 場所:京都女子大学 C校舎5階 C501教室

公開講座「今さら聞けない情報セキュリティ」プログラム

時間演題講師
13:00きっと役立つITの基礎知識宮下 健輔 (本学 現代社会学部 教授)
14:00私の情報を守るセキュリティ技術 〜仕組みを理解し自分で守るためのスキル〜猪俣 敦夫 (東京電機大学 未来科学部 教授)
15:00なるほど!そういうことか!身近にあるセキュリティ対策の理由大鐘 博子 ((株)NSD 産業事業本部 ITスペシャリスト)
16:00サイバー犯罪の現状と対策吉岡 竜之介 (京都府警察本部 生活安全部 サイバー犯罪対策課 ネットセキュリティ・サポートセンター 警部補)
公開講座チラシ
公開講座チラシ

昨今その重要性が叫ばれている「情報セキュリティ」を理解するにはIT(情報技術)の知識が不可欠です.それも,高校の教科「情報」や大学初年時の情報リテラシに関する科目等で扱う内容より一歩だけ先に進んだものが身に付いていると,情報セキュリティの仕組みがよりよく理解できます.ただ,一般の方にとってはこのような内容はなかなか聞く機会がもてないものかもしれません.

そこで今回の公開講座では,情報セキュリティの第一線で活躍されている方々を講師に迎え,活動の一端をご紹介いただきながらその基本となるITの知識・スキルについてわかりやすく説明していただきます(宮下は前座をつとめます!).また,被害者はもちろん,加害者にもならないよう,サイバー犯罪の現状を知り対策を考えたいと思います.

ふだんパソコンやスマートフォンでネットを楽しんでいる方々すべてにお聞きいただきたい内容です.ぜひご参加ください.申込不要・入場無料ですので,会場に直接お越しいただければ結構です.

受賞!

私事(?)ですみません。

情報処理学会インターネットと運用技術研究会(略称IOT研究会)というのがあります。数百人の会員を抱える研究会です。その名前の通り、インターネットに関わることやネットワークの運用技術全般についての研究者が集まっています。

このIOT研究会では、1年間を通じて研究会で発表された論文(年5回の機会があり、1回につき10〜20本の発表があります)の中から、社会に役立つ運用技術のベストプラクティスを選定して「藤村記念ベストプラクティス賞」を授賞しています。この賞はIOT研究会の前身である分散システム/インターネット運用技術研究会(略称DSM研究会)の主査であった藤村直美先生(九州大学)の情報処理学会フェロー就任を記念したもので、昨年度発表された論文を対象として制度が始まりました。

今回、その栄えある第1回受賞論文のうちの1つとして、下記の論文が選ばれました

中山貴夫,宮下健輔「京都女子大学におけるサーバ仮想化基盤の構築」

これは平成28年3月に開催された平成27年度第4回(通算第32回)研究会で発表されたもので、題名の通り本学情報システムの更新にあたりサーバ仮想化基盤を構築した経緯をまとめたものです。中山先生と私は本学の情報システムの管理運用を長く担当しており、情報システムセンターという事務部署と協働して日常的な運用やこのような機器更新をしています。今回このような賞をいただいたことは大きな励みとなります。この場を借りて情報システムセンターをはじめ関係者各位に感謝する次第です。

本学図書館は情報処理学会と契約していますので、本学の学内ネットワークから上記論文にアクセスすると無料で読むことができます。

KOF勉強会

長い間サボっていてすみません。これからまたぼちぼち更新していきます。

もう旧聞に属する話題ですが、去る4月30日(土)に開催されたKOF勉強会で宮下ゼミ4回生の坂口さんと冨永さんがプレゼンしました。KOFとは関西オープンフォーラムのことで、毎年11月に大阪南港ATCで開催されているITイベントです。このKOFに関することをネタにITの勉強をしようという勉強会が今年から不定期に開催されていて、彼女たちはその講師としてプレゼンテーションを行いました。

今回の勉強会のテーマは「ネットワーク」。彼女たちの講演も「KOF会場ネットワークのできるまで」というテーマで行われました。KOFでは出展するユーザグループや企業、個人のため、会場にインターネットへの接続環境(会場内LAN)を用意するのですが、その設計、構築、運用から撤収までを京都女子大学現代社会学部の学生が中心となって実施しているので、そのことをまとめた講演でした。

ネットワークについては、現代社会学部スキル科目「コンピュータ・ネットワークI」「コンピュータ・ネットワークII」および情報プログラム科目の「応用ネットワーク」「ネットワーク運用」と順を追って学ぶことができます。これはシスコシステムズというネットワークベンダが主催するシスコネットワーキングアカデミーという国際的なカリキュラムに沿って開講されている科目です。KOFのネットワークに関する作業はこれらの科目を履修している学生たちを中心に数名が毎年担当しています。

坂口さんと冨永さんは昨年のKOF2015での会場ネットワーク構築の中心的な役割を果たしました。勉強会では、10月中に前年度のネットワーク担当だった先輩から引継ぎを受けて設計を始めたこと、イベント前日まで教室でリハーサルを繰り返したこと、当日の様子や後片づけなどを振り返りつつ、ネットワーク運用のポイントや大学生が担当することの意義などについて語っていました。勉強会はKOF関係者を中心に大勢の参加があり、和やかな雰囲気でした。

kof勉強会(4月30日)
kof勉強会で講師を務める坂口さんと冨永さん

今年のKOFは11月12日(金)13日(土)に大阪南港ATCで開催されます。今年も本学部の学生を中心としたメンバーで会場ネットワークの面倒を見る予定です。ぜひお越しください。