「核兵器禁止条約に関する諸外国出身者の意見」について調査を行いました

2017年6月に、環境政策系ゼミ(担当:諏訪)の2回生 片山怜奈さんと野村明日香さんが「核兵器禁止条約に関する諸外国出身者の意見」について調査を行いました。

日本は世界で唯一の被爆国であり、核兵器の非人道性を世界に訴えてきました。米国の現職大統領として初めて、バラク・オバマ氏が被爆地、広島を訪れてから1年が経つ一方、核兵器禁止条約案が国連で議論されています。しかし、核兵器禁止条約について、日本政府は慎重な態度を崩していません。お二人の調査は、このような日本政府の立場が、諸外国出身者にどのようにとらえられているかを把握しようとするものです。

調査の方法として、片山さんと野村さんは、多くの外国人観光客の集まる花見小路・八坂神社周辺の外国人20名に直撃インタビューを行いました。インタビューにあたって、「核兵器禁止条約に関する情報を準備し、英語で質問を行いました。対象者の出身地は、核保有国であるアメリカ・フランス、非保有国のオーストラリア、韓国、デンマーク、スペイン、タイ、ドイツ、ネパール、イタリアなどでした。

インタビューの結果、諸外国出身者の人々から、核兵器禁止条約に賛成する意見や、理念には同意するものの条約の実効性に疑問を持つ声などさまざまな意見を得ることができました。また、日本が条約に否定的であることを初めて知った外国人の多さも浮き彫りになりました。さらに、日本の役割に期待しつつも、国際政治の中でアメリカに追随せざるを得ない状況に、諦めに似た理解を示す人もいたそうです。

片山さんと野村さんは、インタビュー準備段階でいろいろ学ばなければならないことがあり大変だったそうですが、外国人観光客の方も快くインタビューを受けてくださり、スムーズに進めることができたそうです。環境政策系ゼミでは今後も片山さんや野村さんのように、究極の環境破壊である戦争や、その対極としての平和構築の問題に取り組む学生さんを応援していきます。

(諏訪)

環境政策系ゼミの3回生が太陽光発電アドバイザーの資格試験に合格しました

2017年6月5日に、環境政策系ゼミ(担当:諏訪) の梅沢美咲さんが太陽光発電アドバイザーの資格試験に合格しまし た。太陽光発電アドバイザーは、特定非営利活動法人日本在宅性能協会が認定している民間資格で、 太陽光発電システムの導入・維持管理を支援するものです。

梅沢さんは、これまでの大学での学びの中で、 日本のエネルギー自給率を上げるために、 太陽光発電が果たす役割に注目してレポートなどに取り組んできました。学びが深まるにつれ、「 太陽光発電を普及させる側の人間になりたい」 との思いが強まったそうです。また、「 太陽光発電について勉強してきたことを何らかの形に残したい」 という思いから、資格の習得に挑戦することを決めました。

資格取得にあたっては、公式テキストを使い、 太陽光発電設備の基本的な知識や、 設置時や契約時における法律なども含め約半年間勉強されました。 また住宅用太陽光発電の設置場所となる屋根の種類や名称、 その内部構造を覚えることも必要です。 これまで建築関係の勉強などは経験がなかったため苦労されましたが、勉強自体は自らの関心の高い分野であったので、 非常に楽しかったそうです。

「今後この資格を生かして太陽光発電設備を普及させることで、 日本が他国に頼らない発電を目指すことに少しでも貢献できればいいと考えています。しかし、 ただ増やせばいいのではなく設置者に良いも、 悪いも正しい情報提供を行い、納得のいく形で設置、 稼働に至るようにすることがこの資格を保有している者の一番の責任であると思います」と、抱負を語ってくださいました。 環境政策系ゼミでは今後も梅沢さんのように、 環境とエネルギーの問題解決にむけて具体的な学びを進める学生を応援していきます。

6/11のオープンキャンパス午前担当の諏訪亜紀先生の紹介です

6月11日のオープンキャンパスでは、「教員との懇談コーナー」があります。教員との距離が近く、気軽に研究室をたずねられるのも本学の魅力のひとつです。学びのこと、資格のことなど何でも質問してください。


12日午前担当の諏訪亜紀(すわ き)です。現代社会専攻所属です。環境学(環境エネルギー論)を専門としています。

太陽光・風力・水力・地熱などの再生可能エネルギーが、もっと開発されるためにはどんな政策が必要か、地域の人々にも喜ばれるエネルギー開発・利用とはどんなものか、といったことについて皆さんと学ぶことができれば幸いです。

主な担当科目: 環境学、エネルギー社会論

専門領域: 再生可能エネルギー政策、比較制度論(EU再生可能エネルギー政策・アジア大気汚染防止政策

担当専攻:現代社会専攻

☆研究紹介

これまでは、主に以下の3つの方向から研究を行ってきました。

第一に、日本の気候変動問題対策について、将来日本が大幅に温室効果ガスを削減するために必要な技術と政策は何か考える研究です。

第二に、個別の再生可能エネルギーが、地域社会に受け入れられる条件を洗い出す研究です。太陽光発電や水力、地熱発電が、地域社会の役に立つためには、そのための制度設計を行う必要があるからです。

第三に、アジアの大気汚染防止を実現するために必要な政策を考える研究です。例えば、アジア諸国では大気汚染が深刻で、車やオートバイの排気ガスが人々の健康に影響を与えています。アジア諸国の(ガソリン精製や車両整備などに関する)ガバナンスのあり方を調べ、日本の海外援助に何ができるかを研究しています。

(詳細は大学サイトをどうぞ)

☆専門ゼミ

ゼミでは、ゼミ生それぞれが立てた「提案」や「仮説」を、様々な手法で検証する方法を取っています。これまでの卒論テーマは、地域の再生可能エネルギー(例:地域の太陽光・小水力発電の開発状況と市民ファンドとの関連、途上国の上水道整備への日本の貢献の検証など)のテーマがありますが、学生さんの希望に応じて国内外の環境技術と政策に関する様々な領域を扱っています。身近なテーマでは、メディアが環境・エネルギー問題をどう扱っているか、というものや、(エネルギーとはちょっと離れますが重要な問題である)ペットの殺処分を削減するために必要な法整備などのテーマもありますよ。

環境政策ゼミ堀田暁子さんの学会ポスター発表

諏訪ゼミ堀田さんポスター2

2015年9月18・19・20日に環境経済・政策学会で環境政策ゼミ(通称諏訪ゼミ)3年堀田暁子さんがポスター発表しました。環境経済・政策学会は,「経済学,政策学および関連諸科学を総合し,環境と経済・政策の関わりについて理論的・実証的な研究活動,ならびに国際的な研究交流を促進」することを目的に,1995年12月に設立されました。今年は設立20年目とあってさまざまな発表はもとより、シンポジウムやレセプションなども盛大に行われました。
堀田さんの発表は、太陽光発電を財として捉え、太陽光を担保する権利(ソーラーアクセス権)を考えるものです。学会のポスター発表は大学院生のものが多い中、学部生の堀田さんは、「発表について自分には考えたことのないような質問があり、緊張したが、それ以上に今まで自分の研究してきたものをアウトプットすることの重要性、難しさを感じた。学術の面や、それ以外でも得るものがとても多く今後の大学生活でも活かしていきたい。」という感想を持ったそうです。
今後も環境政策ゼミでは、実際の政策につながるような提言・発表を様々な場面で行ってゆければと思います。

諏訪ゼミ堀田さんポスター1