社会調査演習奥井クラス 東山区六原学区ウォーキング

5月22日、社会調査演習奥井クラス13名が東山区六原学区のウォーキングを行いました。奥井クラスでは、京都女子大学が位置する京都市東山区のフィールドワークを行っています。東山区は高齢化率が32.4%と京都市の中でも際立って高い都市型超高齢化地域であり、とりわけ古い街並みの六原学区は以前から空き家が多く住民の課題となってきました。

下宿生はともか自宅生にとって観光客の多いバス通り以外を歩く機会はあまりありません。外国人観光客でごった返す五条坂の交差点付近から一本裏道に入ると、それまでの喧騒とは打って変わった静寂な石畳の路地が広がっています

近年、六原学区では「六原まちづくり委員会が結成され、積極的な空き家対策を開始したことで、当地区の雰囲気は変わり始めています。その一つが路地の命名と銘板の設置です。この地域は古い住宅が密集して狭い路地や袋地が多数存在します。そのため防災を兼ねて各路地の命名を住民自身が行い、当地区居住の陶芸作家さんが手掛けた陶器の銘板が2016年に掲げられました。

六道珍皇寺の「六道の辻」。現世と他界の境目にあたるとされたところ

学区内には空き家を利用した外国人向けゲストハウスも増加しています。

路地が狭く良い写真が撮れませんでしたが、初夏の日差しのなか、京都の圧倒的な歴史の重厚感と新しい時代の流れを肌で感じるウォーキングとなりました。

(奥井)

降誕会で現社の学生さんが献灯しました

5/20に本学体育館にて、親鸞聖人の誕生をお祝いする降誕会が催されました。式典では大学生代表として、現代社会学部三回生の野村さんが仏前に灯を供える献灯を行いました。引き続いて、付属幼稚園の園児の歌から大学オーケストラの演奏まで記念発表があり(みなさんとても上手でした!)、藍野大学短期大学部学長である佐々木惠雲先生の記念公演が行われました。(藤井)

 

公開講座「恋愛と結婚からみる日本文化と現代社会:人口減少社会にいかに向きあうか」報告

5月21日,現代社会学部3専攻開設記念公開講座『恋愛と結婚からみる日本文化と現代社会――人口減少社会にいかに向きあうか』が100人近い方に参加していただき開催されました。

第一講演では,「ブラジルの草食系男子」というタイトルで,井上章一先生(国際日本文化研究センター教授)による講演を伺いました。井上先生がブラジル滞在した期間にご自身で見聞きしたブラジルの恋愛事情だけではなく,フランスの話など国際的な恋愛事情を踏まえることで,裏返しに日本文化における現代事情が浮かび上がってきました。

かつての日本では結婚することを前提にした社会制度が多く,また会社や地域社会で色々な人が結婚相手を探してくれるため,恋愛ベタでも結婚できたという持論を展開されました。そして現代日本の若者は「草食化」したのではなく,もともと草食系だったのではないかという見解を話されました。

第二講演では,本学客員教授の橘木俊詔先生より「肉食女子・草食男子の意味」というタイトルで講演いただきました。政府機関やシンクタンク,マスコミが実施した統計的な情報をもとに,草食男子と呼ばれる人々がどのような存在として社会は見なしているのかということをお話し下さいました。

そして一口に草食男子といっても,出世や地位の獲得,高収入を懸命に目指すのではない生き方・仕事の仕方を選択する男子という意味での草食男子と女性との恋愛関係の構築や結婚願望が弱いタイプの草食男子の2つが混在しているということを明らかにされました。

 

第三講演では,本学社会学部教授の西尾久美子より「伝統文化の担い手「舞妓さん」の当世事情」について講演していただきました。芸舞妓さんという特殊な職業に就く女性がどのように恋愛や結婚を経た人生を送るのか,芸舞妓や宝塚歌劇団を事例に女性のキャリア形成と人材育成について経営学的な研究を続けてこられた西尾先生ならではの視点と丹念なフィールドワークに基づいた貴重な資料をもとに論じていただきました。

いずれの話もとても興味深く聞かせていただきましたが,とくに印象に残ったのは,いずれの講演も共通して,私たちは個人個人独立して生きているのではなく,社会的なサポートに支えられて生きている存在であるということでした。
第一講演の井上先生のお話では,恋愛や結婚の世話をすることが社会的なサポートとしてみなされていた時代から,それが「余計なおせっかい」であるとか,プライバシーへの介入であるとか,ときにセクハラにみなされてしまう時代に変化してきたことを読み解くことができるような気がしました。
第二講演の橘木先生の話からは,こうして草食男子が社会的な関心を呼ぶこと自体が,恋愛と結婚が社会的な関心を呼ぶもの,つまり「個人の事柄」では済まされない話題であることを示していたように思います。
第三講演の西尾先生のお話には,舞妓さんのお座敷デビューまでの稽古・作法の躾,デビュー当日,その後のさらなる稽古など色々な形で多くの人が舞妓さんをサポートすることが地域経済の仕組みとして確立されている様子が理解できました。

今後,ますます少子高齢化は進み,恋愛と結婚はさらに重要な社会的な課題になることでしょう。そうした将来を見据え,現代社会学部ならでは視点から,現代の恋愛・結婚事情についてマジメに柔らかく考えることができたのではないでしょうか。最後に,この公開講座で講演を引き受けていただいた3人の先生をはじめ,公開講座に参加して熱心に話を聞いて下さった皆様に感謝申し上げます。

(コーディネーター・森久聡)

APO(アジア生産性機構)視察団の方々が本学を公式訪問されました

APO(アジア生産性機構)視察団の方々が本学を公式訪問されました。

アジア生産性機構(APO)の主催する「企業における女性のための人材育成に関する視察団」プロジェクトに参加した16名が、4月7日に京都女子大学を訪問されました。参加者はAPO加盟国のカンボジア・ラオスといった新・新興国やインド、タイ、マレーシアなどの新興国からの10カ国に加え、非加盟国であるミャンマーも含めたアジア11カ国からで、産官学各分野で女性のキャリア育成を担当する女性専門家による訪日団です。

本学への訪問の目的は、女性の人材教育の実情について情報取集と意見交換することで、本学の林学長の挨拶に加えて鳥谷現代社会学部長も歓迎の挨拶を、また、竹安地域連携研究センター長とが現代社会学部の西尾教授がレクチャーを行いました。

参加者は、歴史ある京都女子大学の教育実績や地域産業における女性のキャリア形成の事例について熱心に耳を傾けられ、活発な意見交換がされました。また、休憩時間には、京都市内を一望する本学からの眺めも楽しまれるなど、和やかな時間も過ごされました。

以下は鳥谷学部長の挨拶です。

Ladies and gentlemen, good afternoon.

I am Kazuo Toritani, dean of faculty for the study of contemporary society. On behalf of our faculty, I warmly welcome all of you. And, I am very much honored to make welcome speech in front of you.

Let me explain a little bit about our faculty. Our faculty is established at the new millennium, year of 2000. The number of incoming undergraduate students every year is about 300 persons, which is accounted for almost one-fifth of the total number of students enrolling in our university as a whole. Education of our faculty is characterized as Liberal Arts. The subjects of our faculty are ranged from natural science to humanities, from computer science to moral science.

As for myself, my major is about economics, especially international economics and finance. I am focusing on internationalization of renminbi nowadays.

As far as I noticed, your research topic of this time is about Industrial Human Resources Development for Women. This is in part very common with what our faculty has been tackling. In fact, we have a few researchers who have studied almost the same research topic in terms of gender discrimination, from the view-point of economics, sociology and law. Taking this opportunity, I hope that our faculty can cooperate with your research in future.

Lastly, I hope your research can have fruitful result and all of you can be back to home country in safety.

Thank you very for your visiting us today.

大学新着情報でも報告されていますのでご覧ください。http://www.kyoto-wu.ac.jp/news/details/n6eaci0000007pp8.html

 

現代社会学部「香港大学夏期英語研修」説明会開催報告

現代社会学科国際研修プログラム委員会主催の「香港大学夏期英語研修」(短期英語研修B:2単位)の説明会が、4月7日(金)、10日(月)の両日、開催されました。約40名の学生さんが集まり、引率の鳥谷先生から説明が行われました。

研修期間は8月6日(日)~8月26日(土)(予定)で、現代社会学部の学生(単位認定は1回生=平成29年度以降入学生のみ)が参加できます。2回生以上も参加できます。

日本人が苦手とするspeakingとlisteningに重点をおいたプログラムです。

夜の香港
説明会の風景

ご質問は、現代社会学科国際研修プログラム委員会まで。

国際研修プログラム委員会:鳥谷(香港担当)、松本(委員長)、戸田、松田、城戸

(文責 戸田)

京都刑務所に行ってきました

嘉本ゼミ生有志と、このたび京都女子大学と提携を結んだ京都刑務所へ10月22日(土曜) 第39回京都矯正展に行ってきました。

犯罪社会学を受講した学生が、少年犯罪の再犯率に着眼し、卒論を書きたいとと言ってきたので、じゃあ、刑務所にGO! 20人でグループになり、受刑者が作業をする場所、お風呂など見て回りました。刑務所で作られた家具なども展示販売されていました。また、保護司の女性たちのグループや、少年鑑別所や法務省矯正局など、普段お会いできない方々が出店されていて、ちょっとした文化祭のような雰囲気でした。

件のゼミ生は、刑務官になりたいと、すっかり魅了された様子。親を説得できそうにないらしいですが。新しい世界を知ると、未来の選択の幅が広がります。

 

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環境政策系ゼミ大村真唯さん・加藤愛奈さんが世界学生環境サミットに参加

2016年7月25日から2016年7月29日まで、環境政策系ゼミ(担当:諏訪)の大村真唯さん・加藤愛奈さんがイギリスで開催された世界学生環境サミット(World Student Environmental Summit: WSEN)に参加しました。

今年第9回目を迎える世界学生環境サミット(WSEN)は、今回の担当校であるイギリスのサセックス大学・キール大学の共同開催で世界各国から80名以上の学生が参加して行われました。約1週間に亘るプログラムでは、世界各国の環境問題とその解決に向けた市民参加のあり方を中心に、ワークショップ形式、講義形式等様々な場面の中から学生自身が情報交換し、発信する場が設けられました。

本学からの参加者となった大村さんと加藤さんは、個人プレゼンテーション(琵琶湖の外来種問題の調査報告)、および静岡県の廃棄物対策)を行った後、様々なワークショップ、フィールドトリップに参加しました。英語による専門的な話題に関する議論においてもコミュニケーションを積極的に取り、「国際性とは何か」について深く考えるきっかけとなったようです。 環境政策系ゼミでは今後も世界学生環境サミット(WSEN)等を通じて、国際的な環境政策について考えていく場を設けていきます。

サセックス大学からオックスフォード・マンチェスター方面のバスに乗る
サセックス大学からオックスフォード・マンチェスター方面のバスに乗る。右が諏訪先生。
図1
WSEN開会セレモニー。サセックス大学(ブライトン)
図3
多国籍な学生さんたちと(加藤さん)
図2
多国籍な学生さんたちと(大村さん)
図4
キール大学(マンチェスター)での全体写真

新任の中道仁美先生の自己紹介です

私は京都市の出身で、大学院まで京都にいましたが、就職して東京、札幌、松山(愛媛県)に居住し、久々に京都に戻ってきました。

調査研究のため、国内外に出かけることが多く、同じ対象地や人を長期にわたって訪問しています。

スウェーデンの調査は1999年から2009年までの11年間に合計9回、ほぼ毎年通いました。ホテルなどない山間の過疎地で、家を一軒借りて、自炊しながらの調査です。

nakamichi-book初期の段階では、調査よりも、いろいろなお誘いに応じることで、協力していただける環境を作ることが必要でした。

日本食が珍しい時期でしたので、ありあわせのもので、日本食もどきを作ってパーティーなんかも開催したものです。

その成果を2012年に上梓し、地域学会賞をいただきました。

 

AO入試ガイダンス・情報系授業体験コーナーにもご参加ください

 

AO入試ガイダンスは8/6(土)14:30〜15:00、掛谷先生のミニ講義のすぐあとです。現代社会学部が求める学生像、AO入試の概要、出願方法などを説明して、出願書類も配布します。またこの時レポート講義のテーマも発表しますので、AO入試の受験を考えられている方はぜひご参加ください。

8/5(金)・6日(土)・7日(日)の11:00-13:00は、J校舎402教室で情報系授業体験コーナーがあります。これは現代社会学部で実施している情報系の授業の内容を高校生向けにアレンジしたものが体験できます。

ぜひご参加ください。